アニメや漫画、ゲームを原作とした舞台劇、2.5次元ミュージカル。
「少女漫画から飛び出てきたみたいな美少年」が舞台にゴロゴロいる夢のような世界で、女性ファンを多く掴んでいます。
今回は、2.5次元ミュージカルについて紹介します。
あなたも一緒にハマりませんか?(笑)
①2.5次元ミュージカルの歴史
はじめて漫画原作が舞台化されたのは1966年。
昭和に活躍した女優、江利チエミ主演で行われたミュージカル「サザエさん」でした。
その後もアニメや漫画原作の舞台劇が上演されましたが、いずれもロングランには程遠いものだったそうです。
人気に火が点いたのは1974年に上演された宝塚歌劇団の「ベルサイユのばら」で、2.5次元ミュージカルの元祖と言われています。
通称「ベルばら」は史上最大のヒット作であり、宝塚歌劇団を代表する演目になりました。
アニメや漫画原作の舞台化は徐々に知名度を上げていき、1991年には元スマップ全員が出演する「聖闘士星矢」が上演され、1993年には「美少女戦士セーラームーン」が上演されました。
1990年代までは、あくまで本来の「ミュージカル」としての要素が多く、「2.5次元ミュージカル」という言葉はありませんでした。
そして2003年、ミュージカル界を大きく揺るがすことになる少年漫画原作の「テニスの王子様」が上演されます。
初演こそ知名度の低さで観客は少なかったものの、徐々に口コミで人気が広がり、「テニミュ」の愛称で親しまれるようになりました。
テニミュから「2.5次元ミュージカル」と呼ばれるようになり、2014年には「日本2.5次元ミュージカル協会」が設立されるまでに。
テニスの王子様は2018年、現在も続いています。
そして、テニミュの成功を皮切りに「黒執事」「忍たま乱太郎」「デスノート」など人気作品が次々に舞台化し、世界にも飛び出しています。
②2.5次元ミュージカルの魅力である人気理由とは
2.5次元ミュージカルには、通常の演劇やミュージカルとは異なる部分があります。
それは役者が「完璧ではない」こと。
2.5次元ミュージカルにはスターがいません。
いずれも無名で、見たことがない役者が多いんです。
さらに経験も浅いので、本番でNGを出します。
踊りを間違えたり、台詞を噛んだり、通常の演劇やミュージカルではあまり起こらないことが、2.5次元ミュージカルでは起こります。
私も何度か遭遇しましたが「トチるなんて信じられない!お金返してよ!」なんて気持ちには不思議とならず、むしろ「次は頑張って!」と、まるで弟や甥っ子に対するような気持ちになるといいますか(笑)
テニスの王子様、通称テニミュの舞台プロデューサー片岡義朗はそこが狙いだったとインタビューで語っています。
あえて無名の若手を起用し、観客が役者を応援したくなるように仕向けたと。
まんまと彼の思惑にのってしまったようです…。
無名で経験の浅い彼らは、一生懸命です。
公演を重ねるごとに成長します。
その成長を、私たち観客は温かい気持ちで見守り、喜ぶ。
これが、2.5次元ミュージカルの醍醐味だと言えるのです。
3.まとめ
漫画やアニメ原作の舞台化は「サザエさん」が最初ですが、有名になったのは宝塚歌劇団の「ベルばら」から。
「2.5次元ミュージカル」という名前が付けられたのは、テニスの王子様(テニミュ)からでした。
2.5次元ミュージカルと銘打つ作品は次々と世に出て、役者と観客を一体化させています。
今後も大注目のエンターテインメントです。
2.5次元ミュージカルを実際に観に行きたくなった方は下記もご覧ください。