介護施設には殆どの施設が2時頃にレクリエーションの時間を設けています。
何故、2時かというと3時におやつの時間があるので、その前に体を動かしておこうと思っているからです。
しかし、介護施設のレクリエーションというのは単純なことしかできません。
認知症の人も多くいますし、自走できない人もいるからです。
レクリエーションの目的は単におやつの前に体を動かすことだけではありません。
他にも様々な目的があります。
今回は介護施設でのレクリエーションの目的についてまとめていきたいと思います。
1. リハビリ
介護施設のレクリエーションは、大きく二つに分けることができます。
- カルタやカラオケなどの頭を使うレクリエーション。
- 風船バレーやバトンリレーなどの体を使うレクリエーション。
そのどちらにもそれぞれの目的があります。
まずは頭を使うものは認知症の予防です。
認知症のリスクは年齢ごとに上昇すると言われています。
70代なら70パーセント、80代なら80パーセントということですね。
そして、介護施設で最も困るのが、介護施設に入れられたせいで認知症が悪化もしくは発症したということです。
その場合は、賠償問題になります。
閉鎖された空間で、毎日やることもなく、他の利用者と喧嘩ばかりしていて、娯楽と言えばテレビをぼうっと見るだけという生活を続けていれば誰でも認知症が悪化します。
しかし、レクリエーションを行っており、認知症のための訓練をしているとなれば話は別です。
きちんと認知症対策を行っていたとして、家族からの賠償を防ぐことができます。それが第一の目的です。
では、体を使う介護施設のレクリエーションはどんな目的があるのでしょうか?
それは、ADLという身体の機能訓練が目的です。
介護施設にいる人というのは、大抵がずっと座っているか、ずっと寝ています。
立ち上がると、転倒リスクがあるのでスタッフが止めます。
そうした中で少しでも運動をして、楽しみながら機能訓練を行うのが目的です。
2. QOLの概念に基づいて
介護の現場ではQOL( quality of life)という言葉が使われます。
これはその人らしく人生を楽しみながら介護されるという意味であり、本来のADL(activities of daily living)はできないところをできるようにするというものでしたが、QOLはできる部分に目を向けてそれを伸ばしていこうというものです。
レクリエーションはその場に応じて使い分けられますが、利用者の希望で好きなレクリエーションをやることもあります。
そうした目的で介護施設のレクリエーションはQOLの向上に努めているのです。
3. 介護施設に入っている人の思い
正直に言って、介護施設のレクリエーションを心から楽しみにしている人はあまりいません。どれも子供じみていて、頭がはっきりしている人には物足りないものがあります。
そして、認知症の人はレクリエーションがあること自体を把握していません。
ただ、カラオケや歌の時間というのは、どんな人でも楽しみにしていることが多いです。歌が上手い人、下手な人といますが、歌というのはお年寄りの楽しみの一つです。
そうした楽しみを提供できているということが、レクリエーションの目的の一つとなっています。
4.デイサービス
介護施設のレクリエーションの目的は色々あります。
それを上手にやって、高齢者の方の身体や認知を回復させていけるのがベストです。
デイサービスなどの介護施設はレクリエーションをすることが目的となっている部分もあります。
デイサービスとは、通所型の施設です。
施設に入るまでもないのですが、日中やることがないので集まっているのです。
介護を受ける人も認知症など重い人は断っており、頭がはっきりとした人が多いです。
そうした比較的健康な人が多いので、レクリエーションの内容も充実しているのです。
お相撲さんが慰安に来てくれるなど、色々なレクリエーションがあります。
介護施設の宣伝文句としてレクリエーションを一つの売りとしいているところが多いです。
デイサービスで働く側にとって、まず悩まされるものがレクリエーションです。
職員が個人的に考えていくところですので、適当にやってしまってはクレームがつきますし、入居者の人も減っていきます。
デイサービスではお年寄りの方が皆、レクリエーションを楽しみにしています。
あまりにも幼稚なものは駄目。
でも、難しすぎるのも難点。
例えば、漢字ゲームなどは定番です。
魚へんがつく漢字をどんどん上げて行こうというようなゲームです。
これは頭も使いますし、積極的に言葉を出せるので、盛り上がります。
他にも沢山のゲームを日々考えているので、デイサービスの仕事も大変です。
5. まとめ
介護施設のレクリエーションは、様々な目的を持っています。
ただ、遊んでいるだけではないのです。
レクリエーションを実行することによって、介護施設がより良いものになります。
レクリエーションを売りにしている介護施設もあります。
毎日、レクリエーションを行う。
それだけで、介護施設としての魅力がアップするようになっています。
レクリエーションというのは、様々な目的があって、しっかりと介護施設を支える柱となっているのです。