ものづくりの国として成長してきた日本ですが、その主役である工場には意外と幅広い種類があります。
工場に興味がなかった人も仕事の種類を把握すれば、興味が出てくるかもしれません。
今回は工場の仕事の種類についてご紹介いたします。
1.土台となる製造
工場ということは何かしら物を作っているということです。
となると、当然製造をする仕事があります。
作っている物の種類はいくつと数えられるレベルではありません。
浴槽、トイレ、洗面台、ガラスなどの生活に欠かせない物から、自動車、電化製品、墓石、プラスチック製品、ネジと無数とも言える程の種類の工場があります。
例えばプラスチック製品の工場の場合ですと、材料になる樹脂が何種類か存在します。
製品毎に材料も決められているので、適した材料を成型する機械にセットします。
そして機械のセッティングをしていくつか試作を成型してみます。
外観や寸法に異常がないか判断するのも現場での仕事になります。
異常がなければ機械を連続運転にして、作業者は他にも稼動する機械の巡回をしたり次の製品を作るための機械の準備をしていくのです。
機械には異常が起きた時に音や光で知らせるセンサーが付いていることが多いので、異常が起きた時は作業者がすみやかに駆けつけて対応します。
金属加工の工場の場合だと、機械の設定も複雑な計算が必要な場合があります。
現場の作業者は仕事を通しての経験や計算式を応用して数ミリや数ミクロンの誤差まで製品の長さや厚み修正するのです。
また、金属製品の場合は材料も製品もかなりの重量になるので、フォークリフトの運転も大切な仕事になります。
フォークリフトにもいくつか種類がありますが、座って運転するカウンター式が多く採用されているようです。
また、製造の機械は一度運転させると途中で止めることが困難な場合が多いので、製造の仕事には夜勤が含まれることも珍しくありません。
夜勤の方が給料が良いので工場での仕事を選ぶ方も中にはいます。
2.品質を守る検査
自社で製造を行っている工場に必ず存在するのが検査の仕事です。
製造している最中の製品や納品前に製品を検査して、基準を満たしているかどうか判断する大切な仕事になります。
まず最初に行うのが目視検査です。
自分の目で異物が混入していないか、傷がないかをチェックします。
目視検査で異常が無ければ、次は寸法の測定を行います。
測定器も様々な種類が存在していて、作っている製品や図面に合わせた測定器を用意する必要があります。
工場で一番多く使われている測定器がノギスと呼ばれるものです。
ノギスはハサミの歯のようなものが2つ付いているので、これで測定したい場所を挟んで目盛りで村法を確認します。
また、ノギスには棒のような伸縮する部位があり、これで製品の深さを測ることも出来ます。
ノギスもメーカー毎にいくつか種類がありますが、一番多く使われているのはミツトヨのノギスです。
次に紹介するのは投影機です。
大きな顕微鏡のような形の測定器で、中心に製品を置き、電気を付けると正面に製品の影が投影されます。
この影を使ってノギスでは測れない場所の測定をします。
ノギスと投影機は見かける機会も多く、工場で検査の仕事をするなら必ず覚えておいた方が良いでしょう。
最後に紹介するのが3次元測定器です。
これは操作が非常に難しい測定器で、パソコンと連携している機械です。
長さや円周など、いくつかの種類が登録されていて、自分が測定したい項目を設定します。
そして製品を感知する部位を製品に当てて測定を開始します。
非常に高価な機械なのでどこにでもあるとは言いがたいですが、3次元の測定器でしか測定が出来ない製品や部位があるので覚えておくとかなり役に立ちます。
工場での検査の仕事は製品の種類によって業務内容が異なってきますが、どの工場においても大切な仕事なのでやりがいもあります。
3.その他の間接業務
工場での仕事の種類は他にもたくさんあります。
まず、総務の仕事は一般企業と同じで社員のタイムカードや給料の管理をする仕事です。
工場の規模や種類によっては経理も総務が担当しているケースもあり、仕事量が多いのが特徴です。
他にも電話対応や各種書類の作成をしています。
次に、生産管理の仕事ですが、製品が納期通りに間に合うようにスケジュールを作るのが仕事です。
製造の部署に行ったり検査の部署に行ったり、時には取引先と電話のやりとりをしたりとあちこち動いて一つ一つ工程の進み具合を把握していきます。
工場の中に生産管理があるからこそ、製造する現場や検査がスムーズに仕事をすることが出来るのです。
最後に購買の仕事ですが、購買は社外から備品や消耗品、材料の購入を担当するのが仕事です。
生産管理がスケジュールをキチンと組み立てても、肝心の材料が足りないとなっては納期がズレてしまうので、購買の仕事も全部署に大きく影響を及ぼします。
備品一つとってもその種類が多いので、とにかく最初は物を覚えるのが仕事になります。
ですが、工場外の方に合う機会も多いので勉強になることも沢山あります。
4.まとめ
このように工場での仕事には様々な種類の業務が存在しています。
この種類を知らずに工場に目を向けていなかった方は、一度目を向けてみてはいかがでしょうか?
ご自分に合う職種が見つかるかもしれません。