牛丼などのファストフードなどにお新香セットというメニューがあったりしますよね。
出てくるものは漬物になります。
居酒屋さんなどでは、お漬物の盛り合わせなどの表記が多いです。
お新香とお漬物、浅漬は何が違うのでしょうか?
また、漬物は字のごとくですが、お新香という呼び方も由来がよくわかりません。
そこで、お新香と漬物、浅漬の違いとお新香の由来について調べてみました。
1.お新香・お漬物・浅漬けの違い
おおきなくくりで言うと3つとも同じですが、厳密に見るとお新香は漬物の中でも浅くつけてあるものを特に指し、お新香と浅漬けは同じ意味ということになります。
漬物は発酵させるものも含みますが、お新香・浅漬は発酵をさせません。
また、漬物を少し上品な言い方をする場合にお新香を使う方もおられます。
「お新香」意外の呼び方として、「香の物」や「香香(こうこう)」などの呼び方も行います。
旅館のコース料理のお品書きなどに「香の物」という書き方をしていたりしますよね。
- お新香・・・お漬物の中で浅くつけてあるもの。浅漬けと同じ。発酵させない。漬物の上品な呼び方として使う人もいる。
- 浅漬け・・・お新香と同じ。
- 漬物・・・お新香を含めた全般的なものを指す。発酵させるものも漬物に含まれる。
2.お新香の由来
1.でお新香は浅く漬けてあるものだと紹介しましが、名前の由来もそこに関係します。
漬かりが浅く「新しい香(こう)の物」ということからお新香と呼ばれる様になりました。
こうなると「香の物」という呼び方は、「お新香」より歴史があることになります。
そこで「香の物」の由来についても調べてみました。
「香の物」とは「いい匂い」という意味があります。
漬物がいい匂いというのは、少し違和感がありますよね。。
「香の物」の由来は、平安時代の貴族の遊びに関係します。
平安時代の貴族の遊びに、「聞香(もんこう)」・「香合わせ(こうあわせ)」などというものがありました。
これは、香りを焚いてその種類を当てるという内容になります。
この遊びは後の香道のルーツとされています。
香道とは、沈水香木と言われる東南アジアでのみ産出される天然香木の香りを楽しむ芸事になります。
この「聞香(もんこう)」・「香合わせ(こうあわせ)」を行っている内に、匂いの違いがわからなくなってきます。
その際の、鼻のリセットに使われたのが漬物でした。
当時の漬物は味噌漬けなどにより、現在の漬物よりニオイの強いもので、食べることで嗅覚にもリセット効果があったとされています。
香遊びのときに、このような使われたかをしていたため、漬物は香の物と呼ばれるようになりました。
3.お新香(浅漬け)の定義
お新香とは浅漬けのことだと1.で述べました。
浅漬けの定義は下記のようになります。
浅漬け・・・キュウリやナス、ニンジン等の野菜を調味料に短時間だけ漬けた漬物
漬物は発酵を行います。
浅漬けは漬物のように発酵させないため、色が抜けて見た目が悪いということや、酸性が強くなるということがなくなります。
作り方が簡単であり、浅漬用の調味料も売られていることもあるため、家庭料理としても人気のものになります。
4.漬物の発酵とは
発酵とは、有益な菌である乳酸菌が働き、人間にとって良い働きをしてくれている過程のことを指します。
漬物を作るときは塩をたくさん入れて重しをのせますが、この過程において発酵が行われるようになります。
漬物が腐りにくい理由は、この乳酸菌の働き・大量の塩を入れること・重しをのせることにより、悪い菌を処理してくれ、菌の繁殖しにくい環境を保つことからになります。
5.お新香を英語で言うと?
お新香は英語にすると「quick pickled」になります。
漬物という英単語は「pickle」となります。
ハンバーガーに使われるピクルスは「Pickles」となり、これはキュウリの漬物を指します。
6.お新香のカロリー
定食などにつく白菜や人参などが入った小鉢のお新香などは1人前で13キロカロリー前後となっており、大変低いカロリーということがわかります。
ただ、ダイエット目的で食べる際は下記の事例に注意が必要です。
- お新香は塩分を含むためご飯が進み、太ってしまった
- 塩分によりむくんでしまった
このような例があるので、カロリーが低いからと言ってダイエット目的で摂取する際は、考えながら行う必要があります。
7.まとめ
漬物の呼び方にも歴史があり面白いと思いました。
また、平安時代の「香の物」が食事というよりリセットが目的という点も興味深かったです。
牛丼屋さんなどでお新香のメニューをみたり、お品書きで香の物を見つけたときの会話の種にしようと思います。
ちなみに似たような感じであんぽ柿と干し柿がありますが、これらについては下記にご紹介しておりますのでよろしければご覧ください。