郵便局のマークと言えば、「〒」ですよね。
地図記号はこの「〒」を◯で囲んだものになり、〒の前に記載したりもし、このマークを見れば郵便局であったり、郵便物であることがすぐにわかります。
非常に普段の生活に馴染み深いこのマークですが、このマークの由来や意味は何なのでしょうか?
ちょっと考えてみてもよく分かりません。
そこで今回は、この郵便局のマークの意味や由来についてまとめてみました。
1.郵便局のマークの正式名称
日本工業規格(JIS)で定められた名称において、郵便局のマークである「〒」は「郵便記号」となります。
郵便局でたまに見られる「〠」のJISにおける名称は、「郵便マーク」となります。
ただし、2月8日は「〒」が制定された日として、郵便マークの日と呼ぶので、郵便マークも正しい名称となります。
ちなみに「〠」はマスコット的な意味も含めて作られましたが、郵便番号の7桁化にともなって新しいキャラクター「ポストン」が登場し、その役割を取って代わられることが増え、目にする機会が減っています。
2.郵便局のマーク(郵便記号)はいつから?
明治20年に逓信省(ていしんしょう)が「身分・職業などを表すために、帽子や衣服につけるしるし。」として考え、発表しました。
1.で郵便マークの日が2月8日だと述べましたが、逓信省(ていしんしょう)が最初に郵便マークを発表した日が2月8日でした。
最初にと述べたのは、郵便マークは2月8日の発表では「T」という記号でしたが、その後2月14日に「〒」に訂正されました。
「T」から「〒」への訂正理由ですが、2説あるとされています。
- 記号の案として「T」と「〒」の2つを提示し、「〒」が採用されたが、発表の際に誤って「T」を発表してしまった。
- 「T」を発表した後、海外の国際郵便で「T」は料金不足を意味する記号として、共通になっていることがわかり、日本の郵便マークとして適切でないと判断したから。
逓信省(ていしんしょう)とは、かつての日本にあった郵便や通信を管轄する中央官庁のことになります。
この郵便マークが正式に定められた後から、郵便配達員が身につける帽子(丸笠)の正面、制服上着の袖口、郵便旗、又は現在の郵便ポストである書状集め箱などにつけられるようになりました。
3.郵便マークの由来
郵便マーク「〒」の由来ですが、2説あります。
・逓信省(テイシンショウ)のカタカナである「テ」から取ったとする説
・2.で述べた様に、「T」は海外では料金不足を表す記号だったため、単純に「T」に線を足したとする説
一般には後者の方が、有力とされることが多いです。
ちなみに案の一つである「T」も由来として2説あります。
・逓信省のローマ字である「Teishin」の頭文字「T」を取ったとする説
・「甲乙丙丁」の「丁」が逓信(ていしん)の「てい」の読みに合うからため、「丁」をデザイン化したとする説
4.郵便マークのあれこれ
正式な形
「〒」の縦と横の正式な巾関係をご存知でしょうか?
郵便記号の縦横比は、昭和25年(1950年)の郵政省告示第35号により定めらました。
その中で、幅のほうが広く高さが低いのが正しい記号であるとされています。
自分で書くときは全く気にしたことがありませんでしたが、そんな決まりがあったなんて驚きです。。
〒は日本以外でも通用する?
〒は日本でしか通用しません。
海外になると記号が異なったり、郵便マークがなかったりします。
下の黄色いポストに書かれているのはスペインの郵便マークです。
書かれているマークはラッパの「ホルン」を表しています。
その由来ですが、かつて郵便を乗せた馬車が町の広場に着いたときにホルンを鳴らし、郵便物のが届いたことを知らせていたからになります。
この郵便馬車は郵便のついでに人を乗せるようにもなりました。
スイスやオーストリアで運用されている「ポストバス」の起源はここになります。
ポストバスとは、旅客と郵便物を輸送するバスのことになります。
20世紀初頭に馬車から自動車に切り替わり、さらにバスへといった流れで発展していきました。
ヨーロッパの多くの国では、郵便マークにホルンの記号が用いられており、それぞれの国で同じように郵便が発達していったことが伺えます。
ヨーロッパの田舎になると、町中の広場に面している場所にポストという名前のホテルがあることが多いです。
これは郵便馬車の発着地の名残になります。
郵便馬車から降りてきたお客さんのために始まったホテルだったので、このような名称になったようです。
5.まとめ
普段から何気なく見ている郵便マークですが、それなりの意味がありました。
そんなに昔のことでもないのに由来に2説あるところも面白いと思いました。
東京オリンピックのロゴでも発表後に色々問題になりましたが、このようなマークの発表には色々な問題がつきものなのかなと思いました(笑)
海外の郵便マークの例をあげましたが、おしゃれな印象を受けました。
ただ、自分で書くということを考えると難しそうな記号なので、日本の「〒」は機能的であると思います。