テレビなどで、よく軽犯罪や不祥事を起こすと「書類送検」という言葉を耳にしますよね?
一体「書類送検」とはなんなのでしょうか?
書類送検されたことなどは、本人以外にもばれるのでしょうか?
たくさんの疑問があるのではないでしょうか。
今回は、疑問だらけの「書類送検」についてご紹介させていただきます。
目次
1.書類送検とは?
書類送検とは、「警察官が検察官に事件に関係する書類を送ること」を意味しています。
マスコミ用語では、「送致」「検察官送致」などと言われています。
被疑者の身柄を拘束することなく、事件を送検するということです!
2.前科とは?
前科とは、「検察官に起訴され有罪判決を受けてしまった場合」のことを言います。
刑の種類や執行猶予などは関係なく、禁固以上の刑が確定していると「一定期間その職業につくことはできない」という制限があります。
「スピード違反」「駐車違反」も前科になるのでご注意ください。
3.会社に前科はばれる?
実は一般の会社は、前科があるかないかを調べる方法がないので本人が申告するしかばれる方法はありません。
しかし、ばれることを恐れて、聞かれたときに「ない」と言ってしまうと経歴詐称となり、会社を解雇される理由になってしまうのです。
場合によっては、「詐欺罪」になる可能性があるので正直に会社へ言う必要がありますが、まず聞かれることもそんなにないと思います。
4.書類送検とはどんな書類を送るの?
書類送検の「書類」とは、捜査に関係する書類や証拠物のことです。
「供述捜査」「現場検証の書類」「被害届」「証拠物」などです。
5.書類送検されると前科になるの?
書類送検で前科になるのかどうかですが、書類送検では前科がつくことはありません。
簡単にいうと、書類送検の時点では処理の手続きが途中だということです。
6.書類送検された場合の流れ
書類送検された場合の流れは、書類送検を受けた検察官が起訴にするか、不起訴にするか決めます。
6-1. 起訴の場合
送検→検察官による処分→起訴→裁判→判決
(懲役又は、執行猶予又は、罰金)
6-2. 不起訴の場合
送検→検察官による処分→不起訴→無罪放免
ちなみに、「無罪放免」とは…拘束中の容疑者、被告人を罪がないとして釈放する事を意味しています。
7.書類送検は会社にばれる?
実名報道などがされない場合、書類送検が会社にばれることはありません。
ただし、書類送検の後、実刑を受けたり、被害者が訴えたりしたら会社にばれる可能性があります。
8.前科を消すことは?
結論をいうと、前科を消すことは出来ません。
犯罪歴は3つの機関に保存されていて、外部に漏れることはありません。
その、3つの機関をご紹介していきます。
8-1. 警察
前科は、警察のデータベースに保管されています。
死亡するまで残るそうです。
なぜかというと、再犯の防止や、事件の解決に使用されるからです。
8-2. 検察
警察と同じで、データベースに保管されています。
こちらも死亡するまで残り、再犯を犯した際の判決の基準になります。
8-3. 本籍地の市区町村
罰金刑以上の罪を残した者は、市区町村の犯罪人名簿に残されます。
刑の効力の消滅と共に名前が削除される仕組みになっています。
この3つの機関に前科の情報が残ってしまいますが、日常生活を送るのに何も問題はありません。
9.執行猶予とは?
執行猶予とは「その間に犯罪を起こさなければ刑の効力が消滅すること」です。
簡単にいうと、「執行猶予期間に他の犯罪を起こさなければ、判決の効力が生じないことになる」という制度なんです。
執行猶予の趣旨は、被告人を収監するのではなく、社会復帰させながら更生させるという点です。
要するに、「やったことの責任は重いが、二度と犯罪に手を染めないことを約束できるのであれば、今回だけは特別に許してあげますよ」という事なんですよ。
なので、大抵の人は「申し訳なかった。今回は許してもらえたから、もう2度としないようにしよう」と更生を強く思うのです。
犯罪を行なった人の更生も、執行猶予の役割の1つなのです。
10.執行猶予になったら会社にばれる?
書類送検と同様で、実名報道などがされておらず、自分から話さなければ執行猶予が会社にばれることはありません。
11.前歴と不起訴とは?
前歴とは、逮捕された場合につきます。
逮捕されると、検察官が起訴するかしないかを判断し、検察官が起訴するべきでないと判断した場合不起訴処分を受けるわけですが、不起訴となる理由はおおまかに3つあるんです。
11-1. 不起訴の理由①:嫌疑なし
犯行に関わっている可能性がないと判断された場合!
11-2. 不起訴の理由②:嫌疑不十分
犯行を行ったという可能性はあるが、それを立証する証拠が少ない場合!
11-3. 不起訴の理由:③起訴猶予
犯行は行ったと認められるが、比較的罪が軽いか、被疑者が深く反省しているなど!
このように不起訴となった場合、前科がつくことはないです。
逮捕されたという事実は残りますので前歴はつくことになります。
なので、逮捕という事実があった場合や起訴、不起訴の判断を受けた場合には必ず前歴がつくということになります。
12. まとめ
①書類送検とは、身柄を拘束されることなく検察に書類を送るということ。
②前科が会社にばれることはありませんが、前科がないと嘘をつくと詐欺罪になる可能性がある。解雇の理由にもなるので、正直に言った方がいいですよ。
③一定期間働くことができない制限がある!
最初から、書類送検をされないように気を付けましょう。