普段、何気なく食べたり、話したりする野菜に茄子ってありますよね。
焼いたり、煮込んだりすると非常に美味しく食べられます。
この茄子ですが、「なすび」または「ナス」のどちらで呼ばれていますか?
そもそも茄子の読み方は、なすびとナスのどちらなのでしょうか??
普段、何気なく使っている言葉ですが、一旦気になるとなると「び」って不要なんじゃないかと思ってもきました。
そこで今回は、なすびとナスの違いについて調べてみました。
1.茄子とは
茄子とはナス科ナス属の植物、またはその実のことを指します。
原産地はインドの東部とされています。
日本では奈良時代には伝わっていたとされ、日本においても1000年以上に渡って栽培され続けられている野菜になります。
語源には3つの説があります。
- 実の味から「中酸実(なかすみ)」が語源とされる説
- 夏に実がなるので、「夏実(なつみ)」が語源とされる説
- 日本に伝わった際に、奈須比(なすび)として伝わったとされる説
2.なすびとナスの違い
茄子の歴史
なすびと呼ばれていたものが、室町時代初期に「おなす」と呼ばれるようになり、さらに「お」がとれ、「なす」と呼ばれるようになりました。
この変遷の理由は女房言葉になります。
女房言葉とは、室町時代初期頃から宮中や院に仕える女房が使い始めた言葉になります。
これらは隠語的な意味を持って使われ始め、上品な言葉遣いともされています。
この女房言葉として現在まで残っている言葉として、「なす」があります。
女房言葉は主に衣・食・住について使われており、有名なものには他に「おかか」「おかき」「おかず」など身近な物がたくさん残っております。
東西での呼び方の違い
日本でも東西で呼び方に違いがあります。
東日本では「なす」、西日本では「なすび」と呼ばれることが多いです。
茄子の歴史で紹介した女房言葉に重きを置く方が東日本には多かったため、東西で呼び方が変わったとされています。
もともとは「なすび」がもとの呼び方ですが、「なす」と「なすび」はどちらも正しい呼び方になります。
このことから「茄子」の読み方は、「なす」と「なすび」のどちらも正解になります。
下記のことわざからもどちらも正しいというのが分かります。
- 秋茄子(あきなす)は嫁に食わすな
- 一富士二鷹三茄子(いちふじにたかさんなすび)
ちなみに「茄子」という漢字は、中国語の「なすび」を表しています。
3.他の言語での茄子
中国語
先ほども少し触れましたが、中国語で「なすび」は「茄子」と書きます。
但し、読み方が異なります。
中国語で茄子は「チエズ」と読みます。
ちなみに中国では写真を撮るときに「茄子(チエズ)」と言います。
日本でも言う「チーズ」に似ていますね。
チエズやチーズは口元が横になり、撮る側が相手に笑顔を向ける形になるからになります。
日本において、写真を撮られる側がチーズと言わないのは、日本語では「ズ」を発音する際に、口元が尖ってしまうからになります。
日本でこの「チーズ」が広まったキッカケは、1963年に放送された雪印乳業CMだとされています。
このCMの最中に「チーズ」を使って写真を撮る場面があり、また、日本で個人用カメラが普及していた時期と重なったこともあり、写真を撮るときに「チーズ」と言う方法が広まりました。
英語
茄子は英語で「eggplant」と言います。
茄子といえば、あの黒くて長いやつなので、eggという白いものとは想像からかけ離れていますよね。。。
実はアメリカの茄子は黒くて長いやつではなく、白くて丸いものになります。
実際に茄子がなっている姿は卵がなっているように見えます。
このことからeggplantと、呼ばれるようになったそうです。
4.まとめ
普段何気なく使っている「なすび」や「ナス」という言葉ですが、きちんとした歴史があるということが分かり、面白いと思いました。
歴史も1000年以上あるという点には少し驚きましたが、茄子をもとにした諺があることを考えると、歴史が長いことにも納得でした。