高速道路などの交通情報でよく聞く「上り」と「下り」ですが、なんとなく意味はわかるけど正確にどっちが上りでどっちが下りかをご存知ですか?
今回は高速道路の上りと下りの意味と調べ方についてご紹介します。
上り、下りの違いを知っておけば、帰省時の話のネタにもお使い頂けますよ。
1.東京方面が上りは間違い?
上りを東京方面に向かう意味だと認識している人は多いのではないでしょうか。
間違いではなくほぼ正解ですが、100点満点の認識ではありません。
国道には起点と終点が定められています。
上りは起点に向かっていくことで、下りはその逆の終点に向かっていくことです。
大正時代の国道は、全ての起点が東京(日本橋につくられた道路元標)でしたが、現在は路線名や重要な経過地とともに起点と終点が決められています。
国土交通省が説明している国道の上りと下りの定義は下記の通りとなります。
国道の番号の付け方については、現在は基本的に、国道の追加指定ごとに北に位置するものから順に、番号が付けられています。
国道の路線を指定する際には、まず、起点と終点が定められます。国道の始まりの地点を「起点」、終わりの地点を「終点」とし、「上り」は起点に向かっていくこと、「下り」はその逆の終点に向かっていくことを言います。
大正時代の国道は、「東京市より○○府県庁所在地○○に達する路線」とされていたため、全ての起点は東京(日本橋につくられた道路元標)でしたが、現在の国道は、路線名(番号)や重要な経過地とともに起点と終点が決められています。
起点と終点の取り方については、道路法第5条第1項に掲げる指定基準の各号で示されている重要都市、人口10万以上の市、特定重要港 湾、重要な飛行場または国際観光上重要な地などが「起点」に該当し、それらと連絡する高速自動車国道または道路法第5条第1項第1号に規定する国道が「終 点」となるのが一般的な事例です。
なお、国道の起点・終点については、「一般国道の路線を指定する政令(昭和40年3月29日政令第58号)」によって規定されています。
国道の路線の起点・終点、重要な経過地は、「法令データ提供システム」より検索することで確認できます。
2.例外もあり
2-1.東京に向かっていないのに上り
例えば、北関東自動車道の場合、起点が群馬県高崎市、終点が茨城県ひたちなか市となっています。
地図で確認していただくとわかりますが、ひたちなか市から上り方面である高崎市に向かっていくと、途中までは方角的に東京に向かっていると言えなくもないですが、途中からは東京から遠ざかっていきます。
北関東自動車道の地図
引用:Google マップ
このように東京から離れていくのに上りと言う場合もあります。
2-2.起点終点の定義の例外
また起点終点の定義に例外もあります。
北陸自動車道に関しては、起点が新潟県新潟市、終点が滋賀県米原市となっています。
しかし北陸自動車道全線開通時に、並行するJR北陸本線に合わせて米原市方面を上り、新潟市方面を下りとするように変更しました。
「高速自動車国道の路線を指定する政令」としての起点は新潟市、終点は米原市のままですが、全線開通時にJR北陸本線と合わせるためにIC番号、キロポストを変更し、起点に向かうと「下り」、終点に向かうと「上り」となるようにしました。このように、その土地に合わせた例外もあるようです。
3.起点終点の調べ方
詳細を調べたい方は、総務省行政管理局が運営する総合的な行政情報ポータルサイト「電子政府の総合窓口(e-Gov)」内の「法令データ提供システム」で「高速自動車国道の路線を指定する政令」というキーワードで検索すると、高速自動車国道の路線名、起点、終点及び重要な経過地を確認することができます。
電子政府の総合窓口(e-Gov) 法令データ提供システム
http://law.e-gov.go.jp/cgi-bin/idxsearch.cgi
4.まとめ
今回は高速道路の上りと下りの意味や違いと調べ方についてご紹介しましたがいかがでしたでしょうか?
年末年始やお盆、ゴールデンウィークなどの大型連休などで高速道路を利用することも増えるかと思います。
万が一事故があった場合でも、自分がどこをどの方向に向かっているかをきちんと把握しておくために、どっちが上りでどっちが下りかを事前に調べておくと良いですね。