屠蘇散というものをご存知でしょうか?
私はスーパーで調味料のおまけについているものを、初めて見かけました。
調味料はたしか、みりんだったと思います。
その時は、「読み方は何だろ?」くらいの軽い感じだったのですが、他でも見かける機会があり気になってきました。
単体で販売しているものを見かけたことはなく、見た時はどちらも調味料のおまけでした。
そこで今回は屠蘇散について、調べてみました。
1.屠蘇散の読み方と意味とは
読み方と意味
屠蘇散の読み方ですが、「とそさん」と読みます。
「とそ」の「屠蘇」は、お正月に飲むお酒である「おとそ(お屠蘇)」の漢字表記と同じです。
屠蘇散とは、元旦に服用する長生きするための漢方薬になります。
この屠蘇散は屠蘇袋と呼ばれる袋に入れて、酒やみりんに浸します。
この浸したみりんや、酒を飲むことで屠蘇散を摂取するという形になります。
このことから、冒頭で書いたみりんなどの付属品として、屠蘇散が付いているということもあり得る話になります。
お正月に飲むお屠蘇は、この屠蘇散を浸した飲み物になります。
ただ、屠蘇散を浸していない日本酒をお正月の祝い酒として、「屠蘇酒」と呼ぶ地域もあります。
屠蘇の歴史
お屠蘇は、長生きを願ってお正月に飲まれる伝統的な飲み物になりますが、その歴史は結構古いものになります。
漢方薬ということからもわかるように、元は中国のものになります。
中国の仙人がお屠蘇の元となるものを作り、その仙人が屠蘇庵というところに住んでいたところから、屠蘇という名前がついた説があります。
また、屠蘇の「屠」には「屠る(ほふる)」という「打ち負かす」という意味があり、「蘇」には「病をもたらす悪鬼」という意味があります。
このことから屠蘇という漢字には病を打ち負かすという意味を含みます。
屠蘇は日本には平安初期に伝わったとされ、伝来当初は宮中で季節に関係なく飲まれていましたが、江戸時代にお正月の風習として庶民に広まりました。
2.屠蘇散の販売場所
屠蘇散の販売場所ですが、ドラッグストアや、一部のスーパーなどに、お正月が近くなると出てきます。
アマゾンなどにも売っており、ネット通販で購入も可能です。
こちらであれば季節に関係なく、常に購入可能です。
屠蘇散を浸した後の「お屠蘇」も売っています。
屠蘇散は大体1袋200円前後から購入可能です。
3.屠蘇散の使い方とお屠蘇の作り方
屠蘇散はティーバッグのようになっており、これを酒とみりんの混合物に浸して使い、お屠蘇を作ります。
お屠蘇の作り方
【材料】
本みりん・・・120mm
※料理用のみりんには塩が入っていることがあるので、本みりんを使います。
日本酒・・・80mm
屠蘇散・・・1袋
【手順】
酒とみりんを混ぜたものに屠蘇散を浸し、6〜7時間おけば、完成です。
日本酒とみりんの割合は、好みに応じて変更可能です。
甘めが好きならみりんを増やし、辛めが好きなら日本酒を増やします。
酒やみりんの量を増やすと、屠蘇散を浸す時間を増やす必要があります。
ただし、浸す時間が長すぎると、屠蘇散が濁ったり、沈殿物が出たりするので、様子を見ながら時間の調整をする必要があります。
ちなみに昔の家庭に井戸があった時代は、屠蘇散を保管し、松の内が明けてから井戸に入れました。
その井戸の水を飲むと、無病でいられるとされました。
松の内とは、正月飾りの松飾りを飾っておく期間になり、関西では7日まで、関東では15日までとされています。
4.屠蘇散の作り方
屠蘇散は、下記のものを砕いて混ぜたものになります。
- 山椒(さんしょう)
- 防風
- 白朮(びゃくじゅつ)
- 桔梗(ききょう)
- 桂皮など
5.まとめ
お正月の飲み物として、「おとそ」は知っていましたが、屠蘇散は知りませんでした。
周りの人に聞いても、屠蘇散については知らない人が多かったです。
来年のお正月は屠蘇散を試してみようと思います。