私たちが普段なにげなく書いたり話したりしている日本語は、数多くの単語を有しています。
20万語を超える単語を収録している辞書もあるとか。
そんな多くの単語の中には、似たような意味を持っているものも多数存在します。
今回は『法律』『法規』『法令』の3つの言葉の意味と違いについて調べてみました。
1.『法律』とは
法律とは、議会が制定する成文法のことを言います。
そして成文法とは、権限を持つ機関によって文字で表記された法のことです。
つまり法律とは「議会によって文字で表記する形で制定された法」のことを言います。
かつて、法の多くは明文化されていませんでした。
これは、人々が法に詳しくない方が御しやすかったためと考えられています。
しかし、時代が進んで国民の権利が意識されるようになるにつれて、法を明文化する動きが高まってきたようです。
日本においては、商法や民法・刑事法など数多くの法律が存在しています。
2.『法規』とは
法規とは、法律と規則のことをいいます。
わかるようなわからないような説明ですね。
もう少しわかりやすくいうと、国民の権利を制限する・国民に義務を課す法規範のことを法規というようです。
法規範とは社会の秩序を保つために作られた規範のことで、法律そのものではありませんが、法としての拘束力を持っています。
3.『法令』とは
法令とは、法律と命令のことをいいます。
ここでいう命令とは行政機関が制定する法規範のことを指しています。
内閣が制定する政令や、内閣総理大臣や各省の大臣が発する府省令などがあります。
また、地方公共団体の条例を法令に含める場合もあるようです。
4.『法律』『法規』『法令』の違い
法規と法令の説明には、どちらも「法律」が含まれています。
3つの言葉のベースは法律であり、法規と法令には規則と命令という意味がそれぞれに加わっているといえます。
しかし、法令という言葉に日本国憲法や最高裁判所規則などを含める場合もあり、必ずしも上記の意味だけで使うわけではないようです。
また、法律という言葉の説明に「法規」という言葉が使われていたり、法令という言葉の説明に「法律」が使われていたりと、それぞれの言葉の違いは小さいといえそうです。
5.まとめ
『法律』『法規』『法令』の3つの言葉について調べてみました。
これらは社会秩序を安定させるために、国家が国民の自由を制限しているところが共通しています。
一方で日本国憲法には国家権力を制限する働きがあります。
そのため、法律に日本国憲法は含まれないようです。
『法律』と『法規』と『法令』。それぞれの意味の違いはかなり細かいといえます。
たとえば「交通法規」という言葉はありますが「交通法律」とは言いません。
単独で使う時よりも他の言葉と一緒に使うときに気を使った方がよさそうです。