ブラックミュージック、いわゆる黒人音楽はアメリカの黒人発祥の音楽の総称です。
最近では日本でも当たり前のように耳にするR&Bやソウル、ヒップホップなども黒人音楽が元となっています。
今回は様々な音楽の源流となっているブラックミュージックの歴史と、おすすめの本を紹介したいと思います。
目次
1.ブラックミュージックとは
1-1.ブラックミュージックに含まれるジャンル
冒頭でも説明した通り、ブラックミュージックとはアメリカの黒人発祥の音楽の総称です。
ジャズ、ファンク、ソウル、ブルース、ゴスペル、R&B、ヒップホップ、レゲエなどといったジャンルは全てブラックミュージックに含まれます。
1-2.ブラックミュージックの歴史
「アメリカの黒人発祥の音楽」とありますが、ルーツはアフリカです。
ヨーロッパ人に奴隷としてアメリカに連れてこられたアフリカ人たちは、過酷な労働環境の中で働かされていました。
英語を学ぶことも禁じられ、お互いコミュニケーションをとることもできない状態です。
そのような状況で、奴隷同士、共に働くために身振りや手振りによるコミュニケーションをとるようになります。
共同作業をする際、効率的に行えるようにアフリカ人独特のリズムに合わせてかけ声を上げる「ワークソング」「労働歌」と呼ばれる音楽を生み出します。
この頃はまだ言葉や共通言語はなかったようです。
のちに黒人たちは英語を身につけていくのですが、悲しいことにそのきっかけは白人が黒人をコントロールするために与えたキリスト教文化の影響だと言われています。
黒人たちはキリスト教を信仰する中で、自分たちの境遇などを歌った、黒人のための独自の賛美歌「黒人霊歌」を歌うようになったと言われています。
中には聖歌隊に所属し西洋楽器の演奏を学んだものもいます。
これらの西洋音楽・西洋楽器とアフリカ独特のメロディーやリズムなどが融合しジャズが生まれたと言われています。
そしてこのジャズから派生して、様々なブラックミュージックへと進化していきます。
かなり要約して説明しましたが、ブラックミュージックの歴史は奴隷制という悲しい歴史が大きく関係しています。
このような背景からも、ブラックミュージックというものは差別に対する不満や、社会に対しての不満を表現するという意識が根底に流れています。
2.ブラックミュージックの歴史おすすめの本3選
前項でお伝えした通り、かなり要約してブラックミュージックの歴史について説明をしました。
歴史的背景、多くの文化の融合など、様々な視点があり、正直なところ歴史の説明は一筋縄ではいかないと思っています。
そこで、ゴスペル、ブルース、ジャズの視点から歴史を振り返るおすすめの本を紹介したいと思います。
2-1.ゴスペルのおすすめの本
この本では、黒人霊歌と言われるゴスペルの歴史や歌詞の解説もあり、ブラックミュージックの原点をより深く知ることができます。
黒人霊歌は生きている―歌詞で読むアメリカ
2-2.ブルースからヒップホップまで解説したおすすめの本
ゴスペルの影響から生まれたと言われるブルースからヒップホップまで、アメリカで生まれた音楽がどのように発展してきたかを解説しています。
アメリカのポピュラーミュージック史を知ることができます。
2-3.ジャズのおすすめの本
ジャズとは何か、ジャズの歴史を詳しく説明しています。ジャズ歴史書の名著と言われている本です。おすすめです。
ジャズの歴史物語 油井正一
3.まとめ
悲しい歴史がきっかけとなり、アフリカ文化と西洋文化が融合してブラックミュージックが生まれました。
このように文化が融合して生まれた音楽はたくさんありますが、世界的にここまで影響を及ぼしている音楽は他にはありません。
そして、今日本で聴いている音楽にはブラックミュージックの影響を受けているものが非常に多くあります。
ブラックミュージックの歴史を知ることで、世界の歴史も知ることができますし、今聴いている音楽もひと味違った楽しみ方ができるかもしれません。
一度ブラックミュージックの世界に入り込んでみてはいかがでしょうか。