みなさんは「 8020(ハチマルニイマル)運動」という言葉を聞いたことはありますか?
国と日本歯科医師会が推奨する「80歳になっても20本以上自分の歯を保とう」という運動です。
だいたい20本以上の歯が残っていれば、硬い食品でも満足に噛むことができると考えられ、充実した食生活を送ることができるそうなんです。
そんな健康な歯を保つ為に欠かせない存在となるのが「歯医者さん」ですよね。
ただ、歯医者さんの数って多いですよね?
どこに通ったら良いか迷ってしまう方も多いかと思います。
今回は、虫歯治療に着目して、歯医者さんの選び方を紹介します。
目次
1.何をポイントに選ぶのか
みなさんは歯医者さんを選ぶ時、何をポイントに選びますか?
今はネットで簡単に情報が得られる時代です。
歯科医院検索サイト等を利用して探す方も多いと思います。
自分のニーズに応えてくれる歯医者さんを見つけたいですよね。
歯医者さんを選ぶべきポイントは複数あります。
次の項目からそのポイントを項目別にご紹介いたします。
ご自分が最も重視されるポイントに重点を置いて、選ばれると満足のいく歯医者さんが選びやすいと思います。
2.営業時間・立地での選び方
どんなに良い歯医者さんであっても、治療が終わるまで通いきらなければ意味がありません。
ある程度進行してしまった虫歯なら、完治まで何回か通うことになります。
自分のライフスタイルに合った条件で、歯医者さんを見つける必要があります。
2-1.営業時間
社会人の方や育児で忙しい方等、通院時間を確保することが難しい人もいますよね。
そんな方には、土日診療・夜間診療に対応している歯医者さんがおすすめです。
また、いろんな人のライフスタイルに合わせようとした姿勢が見受けられるので、患者への配慮も感じられますよね。
2-2.立地条件
通勤・通学の帰りに寄りたい人は、駅から近いと通いやすいですよね。
移動手段が車という人には駐車場も必須です。
駐車場が完備されているか、最寄りにパーキングがあるかどうかもチェックしてください。
提携パーキングの場合は駐車料金がかからずに止めることが出来ます。
治療費以外の出費はなるべく抑えたいものです。
3.電話対応での選び方
予約や問い合わせの際のスタッフ対応で、その歯医者さんのレベルが大体わかります。
病院のイメージ・雰囲気はスタッフ教育で決まると言っても過言ではありません。
電話の段階で違和感を抱いたなら、その病院とは相性が合わないかもしれません…。
3-1.丁寧な対応をしてもらえるか
初めての病院に電話するのって緊張しますよね。
それでなくとも虫歯が痛くて気分がピリついてるかもしれません。
優しく丁寧な対応だと安心出来ますよね。
電話でのチェックポイントを下にまとめました。
①自分の名前を名乗るかどうか
病院名の後に、電話を受けた人がきちんと名前を名乗るかどうかをチェックしましょう。
継続的な治療には、信頼関係が重要です。
担当医が名乗るのは当然ですが、その周りのスタッフもきちんと名乗るということは教育が行き届いている証拠です。
名前を名乗る行為は信頼関係をつくる為の第一歩です。
普段は気にしない点かもしれませんが、医療もサービス業の一つです。
ポイントとして心に留めておきましょう。
②虫歯の進行度合を確認してくれるかどうか
虫歯は進行度合いによって分類されており、段階によって治療内容が異なります。
虫歯に関する知識がしっかりあるスタッフなら、「なんとなくしみる気がする」「ズキズキと痛む」などの症状の訴えから、虫歯の進行をある程度把握することが出来ます。
患者自身は軽くみていた症状でも、実はすぐに対処しなければならないこともある為、電話してみて初めて事の重大さに気づいたというような例もあります。
「虫歯」といっても軽度のものから重度のものまであります。
自分の虫歯がどの程度進行しているのか、治療を優先したスケジュールを組むべきかどうか、アドバイスしてもらえると予定が立てやすいですよね。
参考程度に、歯の構造と虫歯の分類について簡単にまとめました。
◆歯の構造
歯の組織は、外側からエナメル質・象牙質・セメント質・歯髄からなっています。
歯髄には神経があるため、虫歯の進行が歯髄に近づくほど痛みなどの症状が出ます。
◆虫歯の分類
虫歯は、どこまでの組織に進行しているかによってC₁~C₄に分類されます。
状態と痛みの特徴についてまとめました。
- C₁:エナメル質が酸に侵されて溶け出した状態。痛み等の自覚症状はほとんどない。
- C₂:虫歯が象牙質にまで達している状態。甘いものや冷たいものを食べると歯がしみたり、痛んだりすることがある。まれに温水でもしみる。
- C₃:虫歯が歯髄にまで達して炎症を起こしている状態。冷たいものや甘いもののほか、酸っぱいものや熱いものなどで歯がしみる。ズキズキ痛んだり、激痛が伴うことも。
- C₄:歯茎から出ている歯がほぼ崩壊してしまい、歯の根っこだけが残った状態。歯髄も死んでしまっている為、痛みはない。
3-2.急患への対応が出来るか
最近では、完全予約制の歯医者さんが多くなってきたように感じます。
約束した患者を待たせないことは歯科医院の評価にもつながりますし、効率の良い運営が出来ます。
ただ、やはり急患は発生します。
「軽くみていた虫歯が悪化して周りが腫れあがってしまって、仕事に手がつかない」などです。
そこまで我慢せずに治療に来ればよかったのに…と言いたいところですが、良い歯医者さんはそんなこと言いません。
出来る限りの対応をしてくれます。
もちろん、前後に予約が入っていたり、診療時間終了間際だったり、十分な対応が出来ないこともあります。
そんな時は虫歯の状態を確認し、痛み止めや抗生物質の処方等、「今の症状を和らげる為に必要な対応」をとってくれ、後日に治療を開始します。
急患への柔軟な対応をしてくれるかどうかも、良い歯医者のポイントとなるでしょう。
4.設備での選び方
設備は、受け入れる患者を想定して選定したものです。
充実しているほど、対応出来る患者の幅が広いと捉えて良いでしょう。
チェックすべきポイントをまとめました。
4-1.モニター完備されているか
治療の説明などで専門用語がでたりしますが、言葉だけでは何のことを言っているのかよくわかりませんよね。
モニターやタブレット端末などを使った、視覚に訴える説明だととてもわかりやすく、スムーズに理解できます。
今どんな状態で、これからどんな治療を行うのかを、きちんとわかりやすく説明してもらえると安心ですよね。
4-2.キッズスペースはあるか
子連れの方はキッズスペースがあると安心ですよね。
待ち時間や治療している間等、子供が飽きないような工夫がされている歯医者さんをみると、患者への配慮が行き届いているなと感心してしまいます。
4-3.クレジットカード対応か
急に歯が痛くなった時、すぐにでも歯医者さんに駆け込みたいですよね。
ただ、そんな時に限って手持ちのお金がなかったり、すぐにお金が下せない状況だったりしませんか?
最近では個人医院でもクレジットカード対応端末の導入が進んでいるようです。
クレジットカードで決済できる歯医者さんなら、現金を持ち歩く習慣がない人でも安心ですね。
5.治療での選び方
独特な消毒の臭いや、歯を削る機械音…幼い頃、怖い思いをして嫌なイメージを持っている人も多いのではないでしょうか?
そんな患者の不安や痛みに配慮してくれる治療法をいくつか紹介します。
5-1.2段階麻酔
虫歯治療で一番気になるのが「痛み」ではないですか?
2段階麻酔は、表面麻酔という塗るタイプの麻酔をして、歯茎の感覚をにぶらせてから麻酔注射をします。
これなら、針が入る感覚はあまりわかりません。
5-2.笑気麻酔
麻酔には、全身麻酔と局所麻酔があり、歯医者さんでよく使われているのは局所麻酔です。
笑気麻酔という全身的な麻酔をご存知でしょうか?
手術などで用いられる吸入麻酔では意識が消失し、静脈麻酔では治療の記憶がほぼないほどウトウトします。
しかし、笑気麻酔の場合はガスの濃度が薄いため麻酔作用も薄く、治療中も意識があり、医師との会話もでき、治療中の記憶も残ります。
少し頭がぼんやりし、緊張が和らいで治療中もリラックスしていられるそうです。
恐怖心が強い方は、笑気麻酔があるかどうかで歯医者さんを選択してもいいかもしれませんね。
5-3.削らない治療
「カリソルブ」という削る量がとても少ない新しい虫歯治療があります。
薬剤で虫歯の部分を溶かして取り除く方法です。
麻酔の苦手な人におすすめですが、自由診療となる為、金額が高額になります。
歯医者さんごとに治療費が異なるようなので、気になる方は直接歯医者さんに問い合わせてみてください。
5.まとめ
歯医者さんを選ぶ際のポイントについて紹介してきました。
忙しい方・子連れの方・恐怖心が強い方等、色々な患者を想定し、受け入れる体制の整った歯医者さんが良い歯医者さんと評価できるのではないかと思います。
確かに、技術や知識も大切ですが、患者への配慮や寄り添う姿勢も重要な要素ではないでしょうか?
虫歯治療は完治まで時間がかかります。
時間とお金を無駄にしないよう、自分が安心して任せられる歯医者さんを見つけてくださいね。
【参考サイト】
日本歯科医師会 https://www.jda.or.jp
厚生労働省e-ヘルスネット https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp