愛する人と夫婦として認められ、二人で新たな家庭を築いていく結婚。
人生のパートナーがいることで、精神的・社会的な安定も得られますよね。
しかし、結婚は家と家の結びつきでもあり、結婚した二人の関係がどんなに良くても、親族との人間関係がうまくいかないこともあります。
その代表的なものに「嫁姑(舅)問題」が挙げられます。
別居してても発生する問題です。
同居となると事態は深刻でしょう。
同居パターンとしては「妻が夫の親と同居する」が一番多いようです。
また、ストレス原因に関する調査で、「家族との人間関係」「家族の病気や介護」が原因と答える人の割合が、30~50代の女性で高めであるという調査結果もあります。
今回は、夫の親と同居する妻、つまり夫の家に嫁いだ立場でのストレスコントロール法についてご紹介します。
目次
1.同居でのストレスの原因
居住地の移動による環境の変化などもストレスの原因になりますが、主なストレス原因は人間関係によるものです。
職場や学校など、自分が所属する社会は、育った環境や価値観の違う人間同士が集まる環境です。
そういった場所では、人間関係のストレスがつきものですよね。
夫の家に嫁いだ妻にとって、嫁ぎ先は「社会」です。
さらに厄介なことに、同じ環境下で育ち、似通った価値観の集団に単独で加わり、それが毎日あたりまえのように続きます。
ストレスがかからないわけがないですね。
それでは、ストレスの原因となる具体的な内容を見ていきましょう。
1-1.過干渉
過干渉の例として、以下のようなことが挙げられます。
- どこに出かけていたかなど、夫婦の行動を細かくチェック
- 共有スペース以外を勝手に掃除する
- 洋服や化粧品など、妻自身の買い物に口出しする
居住スペースは一緒ですが、嫁は姑(舅)の子供ではありません。
多くの方は成人し、結婚に至るわけですから、姑(舅)には夫婦を管理する義務も権利もありませんよね。
1-2.価値観の不一致
価値観の不一致の例として、以下のようなことが挙げられます。
- 金銭感覚の違い
- 衛生感覚の違い
- 子育て方針の違い
食料品や日用品など、生活のために消耗するお金の使い方は、育った環境や収入によって変わります。
出費を減らすために食費を削る人もいれば、健康のために食費を多めに設定する人もいます。
夫婦がメインで家計を担っている場合、使い方も夫婦で決めたいですよね。
共有スペースの使い方(リビングやキッチンなど)もストレス原因の一つです。
特にキッチンは料理する人にとって重要な場所です。
調味料の配置一つで使いやすさが変わります。
他にも、何をどこに収納するか、子供に呼ばせる母親の呼び方は「ママ」か「お母さん」か、ペットを家の中で飼うかどうかなど、価値観の相違による問題は多々あります。
1-3.謎の上下関係
「嫁」「姑」「舅」などは親族の名称であり、上下関係を示すものではありません。
年上・先輩を敬う慣習からか、なんとなく姑(舅)が上の立場で、嫁が下の立場に追いやられるパターンが多いようです。
処世術として、嫁は下の立場に回ることが多いようですが、本気にされて召使のような扱いを受けたら我慢できませんよね。
1-4.時代の違い
現代は、専業主婦世帯よりも共働き世帯が多い時代です。
女性が社会進出したことを背景に、初婚・初産年齢も上がってきています。
そのため仕事しながら妊活に取り組むなど、女性の負担が大きく、家事を夫婦で分担する家庭もあります。
「女は家を守るものだ」「女は子供を産むのが仕事」など、昔の考えを押し付けるような言葉は、なんのアドバイスにもならず、ただのストレスでしかありませんよね。
1-5.頼りない夫
同居生活という孤独な社会の中で、唯一味方になってくれるはずの存在が夫です。
ただ話を聞いてほしいだけなのに、「俺にどうしろって言うの?」なんて言われてしまったら、その日から夫もストレス源です。
2.ストレスによる悲しい結末
ストレスの限界を超えると、自律神経失調症や胃腸障害・記憶力の低下・脱毛症などの身体的な症状や病気につながります。
また、うつ病やパニック障害などの精神的な病気を引き起こす原因となり得ます。
ストレスが限界に達する前に、同居を解消できれば良いですが、そんな簡単な問題ではありません。
同居が原因で離婚に至ってしまうケースもあるようです。
夫婦生活を継続するためにも、ストレスは限界まで我慢しないことが重要です。
3.ストレス対処法
環境がガラリと変わらない限り、日々のストレスを避け続けることはできません。
でしたら、ストレスとしっかりと向き合い、対処しましょう。
3-1.自分を理解する
ストレスを溜めやすい性格として以下が挙げられます。
- 競争心が強い
- 攻撃的でせっかち
- 真面目
- 完璧主義
該当する特徴はありましたか?
まずは、自分がストレスを溜めやすいかどうかを知り、限界値が高い方なのか、低い方なのかだけでも把握しましょう。
ストレスの溜めやすさを診断できるサイトがありましたので紹介します。
◆カラダカラ ストレス溜めやすい度チェック http://www.karadakara.com/sindan/check/ch028_1.html
3-2.相手を理解する
姑(舅)の人間観察をしましょう。
よくわからない人を好き嫌い言うのは、偏見でしかありません。
相手の嗜好やこだわり、どんな時に機嫌が良く、何をすると怒るのか観察しましょう。
相手の悪いところだけでなく、良いところも認めましょう。
3-3.ストレス源をはっきりさせる
自分にとって何がストレス源なのか把握しましょう。
まず、日常でストレスを感じる行動や言動をリストアップします。
その中でも、大きなストレスを感じるものから、しっかりと向き合いましょう。
例えば、「使ったものを元の場所に戻さない」がストレス源だったとします。
戻さない原因によって、対処法が変わります。
・「定位置だと知らなかった」・・・相手も知っているだろうという思い込みによるもの
→定位置であることを伝え、戻すようお願いする。
・「どこにあったっていいじゃない」・・・価値観の相違によるもの
→定位置にないと困る旨を伝え、戻すようお願いする。
改善されない場合、自分にとってストレスであることを伝えます。
同居生活は長いです。
自分という人間をを知ってもらう為にも、思い切って伝えてみましょう。
もちろん伝え方やフォローも重要です。
この点は夫に協力してもらいましょう。
・「どこに戻すんだっけ?」・・・老いによるもの
→記憶力の低下が原因であれば、相手が分かりやすいよう貼り紙をしたり、工夫が必要です。
その工夫自体もストレスになるならば、解決は諦め、相手の老いを認めましょう。
能力的に出来ないことは強要できません。
こうなってくると、同居のストレスというより介護のストレスになります。
専門の方に相談し、介護サービスをうまく利用して負担を減らしましょう。
介護の面での別居を提案してみるのも、双方にとって良いかもしれません。
自分で解決できそうな問題に対しては努力し、解決できない問題は諦めてしまいましょう。
ストレスが限界を迎えると、考えを放棄し、相手の存在自体がストレスになります。
そうなってしまったら、同居解消しか道が見えなくなり、できない場合は離婚という選択に至ってしまうかもしれません。
「こういう人間だから、仕方ないな」と割り切れるまで相手を理解できるといいですね。
3-4.夫をコントロールする
人生のパートナーである、夫に話を聞いてもらいたいところですが、そのストレス源が夫の親によるものとなると、話すのをためらってしまいますよね。
しかし、我慢の限界を超えて噴火されても、夫も困ってしまいます。
小出しに話し、発散したいですよね。
妻サイドから「〇〇してほしい」という明確な要望がない場合、それはただの愚痴になります。
ただ、男の人は話を聞くと解決したがる傾向があるようなので、事前に以下を明言しておくと、更なるストレスを溜めなくて済むかもしれません。
- 愚痴であること
- 解決を求めてないこと
- 労ってほしいこと
気持ちを察するのが不得意な男性も多くいるため、ストレートにオーダーし、夫をコントロールしましょう。
4.ストレス解消法
それでもやっぱりストレスは溜まりますよね。解消法の例をご紹介します。
4-1.自分のための時間を確保
思いっきり笑う・泣くなど、感情を開放する時間を定期的に確保しましょう。
また、大声で歌ったり、スポーツや趣味に没頭するなど、普段の生活とかけ離れた行為に集中することは、心身のリフレッシュ効果が期待できます。
4-2.共感して認めてもらう
友人や同僚など、共感して頑張りを労ってもらえる人に話を聞いてもらいましょう。
辛い時は、ダメ出しや説教をしてくる人は避けましょう。
他人があなたの置かれた状況を全て理解できるわけがありません。
でしたら、気持ちに寄り添い、自分を肯定してくれる人に話を聞いてもらった方が心が救われます。
また、コミュニティサイトの活用もおすすめです。同じような境遇の仲間がいれば心強く、一緒に頑張れるかもしれません。また、経験者からの有益なアドバイスを得られることもあります。
5.おすすめコミュニティサイト
◆お嫁さんな日々 http://vanillafudge.jp
サイト内「お嫁さんの井戸端会議」に同居カテゴリがあります。
「お嫁さんが元気いっぱいになれる場所」がサイトコンセプトです。
相談に対して親身なコメントが多く、共感・アドバイスがほしい人におすすめです。
◆ママスタジアム http://mamastar.jp
サイト内「ママスタBBS」の旦那・家族トピックに「同居愚痴りトピ【総合】」があります。
黒い気持ちをストレートな表現で吐き出せる場所です。ただただ吐き出したい人におすすめです。
6.まとめ
同居にはメリットもたくさんあります。
体調を崩したときに助けてもらえたり、違う価値観だからこそ、自分の足りない部分に気づかせてくれることもあります。
また、子供の成長にも良い影響を与えてくれることもあります。
同居は一つの社会であり、ストレスありきの環境です。
「踏み込んではいけない部分」と「踏み込ませない部分」を守り、こじれない関係が一番理想です。
ストレスがかかるのはお互い様であることを念頭に置き、自分にあったストレスコントロール法を見つけましょう。
良い意味での「適当な関係」を築いてください。
【参考サイト】
厚生労働省 http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa10/3-3.html
国立社会保障・人口問題研究所 http://www.ipss.go.jp/ps-katei/j/NSFJ5/Kohyo/NSFJ5_gaiyo.pdf
タケダ健康サイト http://takeda-kenko.jp
親族親等表 http://mr36.jp/cshintoua.html
カラダカラ ストレス溜めやすい度チェック http://www.karadakara.com/sindan/check/ch028_1.html
お嫁さんな日々 http://vanillafudge.jp
ママスタジアム http://mamastar.jp