以前、子育て支援センターで一緒に遊んでいた小さな女の子の話です。
彼女は一時期、センターの先生に「足がイタイイタイの」と舌足らずな言葉で訴えていたことがありました。
確かめてみると特に傷や腫れもない。
先生が絆創膏を貼ってあげるととりあえず落ち着く。
そんなことが一週間ほど続きました。
ずっと後に聞いた話ですが、そのころ彼女の家では両親が不仲だったそうで、センターの先生は「いろいろ辛かったんだろうね。」と痛ましそうにおっしゃていました…。
このように、まだ自分の心をうまく表現できない幼児は体調不良や怒る・泣くなどの行動によって周りにストレスサインを発することがあります。
「もしかして…」と心配になってるママもいっらしゃるかもしれません。
そこで今回は、幼児のストレス症状の現れ方とその解消方法についてお話したいと思います。
1.幼児のストレス症状の現れ方
情緒がまだ発達段階の幼児は自身の気持ちをうまく把握することができません。
また、それを言葉として表すことも困難です。
幼児のストレス症状は「身体の不調」や「行動」として現れてきます。
最初に「身体の不調」について見てみましょう。
【身体の不調】
- 発熱
- から咳
- 腹痛
- 頭痛
- めまい
- 下痢
- 便秘
- 嘔吐
- じんましん
- 首や手足の痛み
- 倦怠感
- 持病(ぜんそくやアレルギー)の悪化
- おねしょ
- チック
ご覧の通り、さまざまな症状の現れ方があります。
「保育所に行く前に必ず腹痛を訴える」「下の子が生まれてから、上の子のおねしょが増えた」など、状況と症状を関連づけられるようなときは要注意。
もしかすると子供がストレスを抱えこんでいるかもしれません。
ただ、これらの症状は大きな病気の前兆の可能性もあるので必ず専門の先生に判断を仰ぎましょう。
次に「行動」について挙げます。
【行動】
- 人や物に当たる
- 落ち着きがなくなる
- 集中できなくなる
- ぐずる
- やる気がなくなる
- 口数が減る
- 甘えてくる
- 食欲がなくなる
- 歯軋りをする
- 爪を噛む
- 自分の髪を抜く
- 視力が急に落ちる
- 吃音(どもる)
- 幼稚園や保育園を休みたがる
いつもと違うような行動が見られたら注意してあげましょう。
2.幼児のストレスを解消する方法
子供にストレスサインが見られたらどうすれば良いのでしょうか?
本来ならストレスの原因を突き止めてそれを解決することが根本的な解消法です。
しかし、なかには「お母さんによく叱られる」「叱られたとき、弟がやったことを自分のせいにされた」「弟は可愛いけれど、それを思い出すと腹が立つ」「こんな自分が嫌だ」など、原因が複雑に絡み合っているケースもあります。
心の問題は外からではなかなか見えづらいもの。かといって解決を焦ると子供が殻に閉じこもってしまうことも…。
まずは、親子で「ガス抜き」をしてあげましょう。
ポイントは「親子」です。
まだ人間関係が狭い幼児にとって、ストレス原因は身近な家族によるものがほとんどです。
これを読んでいるママ、疲れていませんか?
たまには子供と一緒にストレス発散してはいかかがでしょうか。
ストレス解消には次のことがオススメです。
○身体を動かして遊びましょう。
外で思いっきり身体を動かしてみましょう。
運動によって分泌されるセロトニンやエンフィンなどの神経伝達物質にはストレスを緩和する作用があります。
セロトニンは自立神経のバランス整え、エンドルフィンは苦痛を軽減したり多幸感をもたらしてくれます。
○子供と触れ合いましょう。
ギュッと抱きしめる、くすぐりっこをするなど、身体の接触によって「オキシトシン」という「幸せホルモン」が分泌されます。
個人的なオススメはお互いの身体をマッサージしてあげること。
ママの疲れも取れるし子供も喜ぶし一石二鳥です。
ママと子供がリフレッシュできたら、じっくりと子供の話を聞いてあげましょう。
否定したり、遮ったりせず、話したいだけ話させてあげてください。
それで子供の悩みや不満が分かるようなら家族で解決する方法を考えてあげるといいですね。
それでも子供の様子が落ち着かないようならカウンセラーなどの専門家に相談しましょう。
3.まとめ
情緒も言葉も発達途中の子供は、ストレスを抱えてもそれを把握したり表現することがうまく出来ません。
身体の症状や行動としてストレスサインが発せられる場合があるので周りの大人は注意して見てあげることが大切です。
身体を動かしたり、スキンシップを増やしたり、子供の話をよく聞くことがストレス緩和になります。
また、親のストレスが子供に伝わってしまっていることもあるので、親自身のストレスの発散もどうか忘れずに!
どうしても症状・行動が改善されないときは他の病気の可能性もあります。抱え込まず、専門の先生に見てもらうようにしましょう。