介護士の仕事内容は、看護師とは違います。
ですが、人手不足だと看護師も介護士の仕事をしていることもあります。
看護師と介護士の仕事内容における決定的な違いは、医療行為ができるか否かです。
例えば、摘便行為(便を摘出する行為)は看護師ならできますが、介護士はできません。
胃ろうを流したり、痰を吸引したりするのも同じくです。
ただ、痰吸引に関しては緊急時にはやっても良いという風潮もあります。
少なくとも罪に問われることは少ないかもしれません。
しかし、本来はやってはいけません。
今回は介護士と看護師の仕事内容の違いについてまとめてみました。
1.介護士と看護師の仕事内容比較
介護士はあくまでも身体的サポートを行う介護をするのが仕事内容です。
それに比べて看護師は看護に伴う医療行為を行うのが仕事内容になります。
基本的には介護士の方が体力を使って体を動かすのに対して、看護師は書類を作成していることが多くなります。
心臓マッサージなどは介護士も看護師もできます。
これは医療行為ではなく、蘇生のための処置ですので、一般人でもできます。
ただ、やるだけならいいのですが、そこは生き死にがかかっているところです。
空気を肺に送るためには、あばら骨が折れるくらいの力が必要です。
高齢者の骨はもろくなっているので、直ぐに折れてしまいます。
心臓マッサージをやるとあばら骨が折れる音と感触が残るため、それがトラウマになる介護士もいます。
2.介護士にしかできない仕事内容
これは正直ありません。
一般の人と同じです。
介護に関する資格を持っているからと言って、何かができるわけでもありません。
例えば介護福祉士は、「介護福祉士を名乗ることができる」権利を得るだけであって、介護福祉士だからといって何か業務が変わるわけではありません。
業務の幅も広がらないでしょう。
ただ、記録を残すのは、介護士の仕事です。
記録には介護記録と看護記録があるのですが、主に重視されるのが介護記録です。
介護記録には、特変があったり、巡視の様子だったりするものを記録として書きます。
看護師は夜間にはいないですし、中には看護記録がないところもあります。
それによって、責任が誰にあるのかわかりますし、責任逃れをすることができます。
極論から言うと、介護記録をしっかりと書くことで、まずは告訴を防ぐことができます。
介護記録がそのまま裁判での証拠になるわけですね。
介護施設というのは複雑で、人がしょっちゅう亡くなられます。
そうしたのが、介護士の責任であるとする家族は意外にも多いのです。
そのために、介護記録をしっかりと書いて、何か特変があった時には具体的に詳しく記載します。
そうすれば、自分を守ることに繋がるのです。
告訴を起こされても、綿密に記録を書いていれば、それが証拠として機能してくれます。
3.看護師にしかできない仕事内容
医療行為全般は介護士ではできません。
資格を持った看護師が医療行為は全て行います。
また、施設ですと定期的に検診に来てくれ、その都度サポートします。
入浴の際に打撲痕などが見つかった場合は、看護師の仕事内容として、治療を行います。
介護をしていて幾ら注意していても、高齢者は直ぐに転んだり、直ぐにドアにぶつかったりして、直ぐに皮下出血を起こしてしまいます。
高齢者の皮膚は非常にデリケートで、傷付きやすいのです。
また、褥瘡(じょくそう)の問題もあります。
高齢者になるとずっと寝ていることが多く、体がついていかず寝返りを打てないというケースがあります。
こうなるとずっと同じ姿勢でベッドに横たわっていることになり、お尻の方に重心がかかり、傷ができてしまいます。
これが褥瘡です。
褥瘡は体位を動かすことで予防はしているのですが、それでも限界はあります。
この体位を動かすという行為は介護士がまず真っ先に気をつける点でもあります。
それでも褥瘡になってしまった場合は、保護テープを貼ります。
今のところ、体位を動かす意外の予防の方法はありません。
この保護テープ貼りも医療行為にあたるため、看護師にしか出来ない仕事になります。
4.介護施設関係の看護師は、忙しい
何故ならば、介護士の手が足りなくなった時などに看護師が介護士の仕事内容を手伝うことがあるからです。
病院系列にようにゆっくりとしていません。
常に動いているのが看護師です。
介護士も常に動いているのですが、やはり高い給料を貰って仕事をしている以上、それに見合った仕事をしています。
ただ、看護師は下記点で介護士を軽く扱っている方が居るのも事実です。
- 給料面
- 仕事内容
看護師はきつい性格の人が比較的多く、業務の忙しさが重なると、きつい言葉を介護士にかけるということも出てきます。
5.まとめ
介護士の仕事内容と看護師の仕事内容をご紹介しましたが、如何でしたでしょうか?
- 介護士は介護
- 看護師は看護
それぞれの役目があります。
その役割をこなすからこそ、介護施設が成り立つのです。
仕事内容が違えば、給料が違うのも当然のことです。
介護士の仕事内容と看護師の仕事は重なっている部分もありますが、基本的には介護士は介護士の仕事を看護師は看護師の仕事をやっていれば大丈夫です。
ただ、職場によっては可能な仕事の幅が広い看護師の方が業務の負担が大きくなる場合があります。