阿波踊りの踊りには男踊りと女踊りがありますが、阿波踊りを構成する重要な存在として「鳴り物」があります。
以前に阿波踊りの練習方法についてご紹介しましたが、練習するからにはこの「鳴り物」についても知っておいた方が良いです。
阿波踊りの魅力はこの鳴り物の生演奏が聴けることで、お客さんの目の前で演奏される鳴り物は迫力があります。
具体的に阿波踊りの鳴り物にはどのような種類があるのかをご紹介していきます。
また、阿波踊り祭りには、大きく分けて3つの演舞の形があります。
それぞれの演舞によって見る楽しさも変わりますので、それぞれの演舞の違いと楽しみ方についてもお伝えをしていきます。
目次
1.阿波踊りの鳴り物の種類
阿波踊りでは連ごとに様々な音色のお囃子が演奏をされるため、個性豊かな演奏を聴けることがお祭りの楽しみの一つでもあります。
演奏される鳴り物にはたくさんの種類があり、ここでは代表的な鳴り物を紹介していきます。
1-1.鉦(かね)
チリンチリンという高く、よく響く印象的な音を奏でます。
阿波踊りで初めて使用された楽器だと言われていて、演舞の踊り始めの合図などに鳴らされることが多いです。
演舞をリードするために欠かせない鳴り物であり、連長などの熟練者が担当することが多いです。
1-2.笛(ふえ)
阿波踊りでは日本の伝統的な横笛の「篠笛」が用いられます。
メロディ楽器である笛は、鉦や太鼓などのお囃子の中でも際立つ澄んだ音色を奏でます。
1-3.三味線(しゃみせん)
三味線は阿波踊りに欠かせない存在です。
伝統的で古風な音色を奏で、見ているお客さんをわくわくとした気持ちにさせてくれます。
また、阿波踊りではこの三味線と笛の音色が揃っていることが特に重要です。
1-4.大太鼓(おおだいこ)
ドンドンとお腹の底に響く豪快な音を出すのがこの大太鼓です。
鳴り物の中で最も大きな楽器で、お腹の前あたりで叩くことができるように、通常背中を通す紐がついています。
この大太鼓の演奏はかなり迫力があり、大太鼓の音を十分に鳴らすためには、ある程度の筋力が必要となります。
大太鼓は阿波踊りを大いに盛り上げる役割を担っています。
1-5.締太鼓(しめだいこ)
大太鼓と比べて小ぶりな太鼓で、軽快な音を奏でます。
足の付け根の下あたりで叩くことができるように、首から吊り下げられるよう固定されています。
心地よい音を奏でる鳴り物で、大太鼓と揃って演奏をされることで、いいアクセントとなっています。
1-6.鼓(つづみ)
鼓には張り扇で叩く大鼓と、手で叩く小鼓があり、それぞれ音色が異なります。
他の鳴り物とは一風異なる音色を奏でるため、演奏を引き締める役割があります。
以上が阿波踊りで演奏される主要な鳴り物ですが、これらの他にも連によって独自に竹や樽など他の楽器を取り入れている場合があります。
鳴り物の演奏は、阿波踊り祭りの醍醐味なので、お祭りを見に行った時には是非鳴り物にも注目をしてみてください。
2.阿波踊りの演舞の種類
阿波踊りを楽しむために、最後にもう一つ知っておいてほしいことをご紹介します。
それは、阿波踊りの演舞の種類です。
阿波踊りは踊る場所や環境によって、様々な演舞の形があります。
ここでは、主な演舞の形を3つ紹介をします。
2-1.流し踊り
大人数で隊列を組み、商店街や通りなどを練り歩くスタイルの踊りが「流し踊り」です。
お客さんの目の前を踊り歩き、手を伸ばせば踊り手に手が届くくらい近い距離で踊るこの演舞は、お客さんとの一体感や臨場感を感じられることが最大の特徴です。
阿波踊りの魅力は、この流し踊りのように、お客さんとコミュニケーションをとりながら踊ることができることです。
この演舞が行われる場面では、踊り手はもちろん、見ているお客さんも盛り上がることは間違いありません。
2-2.舞台踊り
屋外や屋内のステージ上で踊る舞台踊りは、お客さんがじっくりと踊りを見ることができることが特徴です。
通常、舞台踊りの方が、流し踊りの踊りよりも作り込まれた演出がされていることが多く、見ごたえがあります。
2-3.組踊り
舞台踊りと同じように、凝ったフォーメーションや演技を行います。
踊る場所は、舞台以外で踊るスペースを確保された所で踊られます。
会場によっては踊り手を身近で見ることができ、舞台踊りよりも気軽に楽しむことができます。
2-4.輪踊り
公園や歩行者天国となった路上などで自然発生的に踊りが繰り広げられ、お客さんも一緒になって踊ります。
人が円になって集まる形から、輪踊りと呼ばれています。
流し踊りや舞台踊りと比べて、少人数で自由に踊ることができるところが魅力です。
3.まとめ
阿波踊りの主要な鳴り物の種類と演舞について見てきましたが、いかがだったでしょうか。
阿波踊りの演奏は、実はこのように多くの鳴り物によって構成をされています。
普段踊り子をしている人が鳴り物を担当することもあり、阿波踊りの楽しさは踊ることだけではありません。
阿波踊りの鳴り物や演舞の種類を知ったことで、今後阿波踊りをより一層楽しんでいただけるのではないでしょうか。
阿波踊り祭りに行った際には、鳴り物の音色や演舞の違いにも是非注目をしてみてください。