季節の風物詩の一つとして高校野球があります。
甲子園を目指して頑張ってきた高校球児の試合には、感動する場面がたくさんありますよね。
残念ながら負けてしまった高校球児が試合の後に、甲子園の土を持ち帰る場面も胸にグッとくるものがあります。
このように持ち帰られる場面をよく見る甲子園の土ですが、どこから来る土なのか?・特別な成分が含まれているのか?という点について疑問を持ったので、まとめてみました。
1.甲子園の土はどこから?
甲子園のある場所はもともと砂地で、グラウンドも白っぽく、ボールが見えにくい状態で野球に適していませんでした。
このことから、黒土を合わせようとなり、試行錯誤の結果、淡路島の土を混ぜ合わせるようになったそうです。
当時の担当者の方は混ぜあわせた土にしたグラウンドで、実際に走ったり、すべりこんだりして土の硬さ・色目などを確認したそうです。
では、現在も淡路島から土が来ているといわけではありません。
どこから来ているのかは、黒土と砂で異なります。
各場所は下記の通りになります。
黒土の産地
岡山県日本原、三重県鈴鹿市、鹿児島県鹿屋、大分県大野郡三重町、鳥取県大山 などの土をブレンドしている。
(毎年決まっているわけではありません。)
砂の産地の変遷
甲子園浜及び香櫨園浜社有地 ~ 瀬戸内海産の砂浜 ~ 中国福建省
※甲子園の砂は産地が変遷しています
Q & A | 阪神甲子園球場
甲子園の土を初めて持ち帰ったのは打撃の神様と言われる川上哲治氏だそうです。
1937年の全国中等学校優勝野球大会の決勝戦で敗れたために、甲子園の土を持ち帰り、母校のグラウンドに撒いたという説があります。
高校野球の歴史も長いですが、甲子園の土を持ち帰る歴史も長いことがわかります。
2.甲子園の土の成分特徴
続いて、甲子園の土の成分について詳しく見ていきたいと思います。
1.でも少し触れましたが、甲子園の土はボールを見やすくするため、黒土と砂を混ぜあわせています。
下記に黒土と砂の特徴を記載します。
黒土の特徴
- 土が柔らかい
- 水を吸いキープする力がある
- 水はけが良くない
砂の特徴
- 土が硬い
- 水はけがよい
両方の良い特徴を引き出すように配合し、下記状態の土を作り上げます。
- 土が柔らかずぎず、硬すぎない➡︎ボールが跳ねすぎないようにし、かつ、高校球児が走りやすくする
- 水はけがよく、水持ちもよい➡︎雨が降った時にぬかるみにくくし、かつ、土が舞わない程度に湿らせる
高校野球の甲子園大会は春と夏があります。
季節が異なると、上記成分の特徴を考慮し、土の成分の配合割合が変わります。
3.まとめ
甲子園の土は高校球児が力を発揮するために、非常に考えられたものであることがわかりました。
高校野球を見るときに土にも注目してみると面白いかもしれません。