何かの集まりに参加を呼び掛ける際に「奮って(ふるって)ご参加下さい」と言うことがあります。
運動会やお祭りなど、自主参加のようなイベントのチラシなどでよく目にします。
また、何かの抽選やラジオの投稿などの応募を呼びかける際も「奮ってご応募下さい」などと言うこともありますよね。
この奮っての意味とは何なのでしょうか?
日頃、耳にすることはありますが、考えてみるとどういう意味なのかよく分かりません。
そこで今回は、「奮ってご参加ください」に使われる「ふるって」の意味について調べてみました。
1.奮っての意味
奮っての意味ですが、下記のような内容になり、参加や勧誘を促す際に用いられる言葉になります。
- 自分から進んで。
- 積極的に。
「奮って」は動詞・形容詞・形容動詞を修飾する副詞となります。
「奮ってご参加下さい」の意味は、「ぜひ参加して下さい」という呼びかけより自発的な部分で強い意味になり、「自分からやる気満々で参加してくださいね」という意味を加えた呼びかけになります。
「奮って」の漢字「奮」は【気力が盛んになる・気力を盛んにする】という意味の言葉ですが、今回の使い方の場合はこの意味が薄まり、上記でご紹介した【自分から進んで・積極的に】という意味になります。
このことから「奮ってご参加ください」や「奮ってご応募ください」の「奮って」を「積極的」や「ドシドシ」という言葉に置き換えると、しっくり当てはまります。
こう考えると何かのイベントの参加や、応募の案内チラシに「奮ってご参加下さい」と書かれている文章の意味も納得できますよね。
2.「奮」と間違えやすい漢字
「ふるって」と書く際の漢字ですが、「奮」と間違えやすい漢字があります。
「振」と「震」です。
これらも「振るって」「震って」という続き方をしますが、「ふるってご参加ください」の場合には使いません。
●振るって
「振るって」は「奮って」と非常に混同されやすい漢字になります。
そのため、「振るってご参加ください」などと書かれている文をたまに見かけます。
ワードなどで変換した際も「振るって」の方が出やすかったり、「振るう」には【充実して勢いが盛ん。】などの意味があるので、余計にしっくりきてしまうというということも間違えやすい原因だと思います。
「振るってご参加ください」は間違えた使い方になり、正しくは「奮ってご参加ください」になります。
「振るって」という使い方は下記の場合に用いられる使い方になります。
①「振るって」という使い方
この場合、意味は【思うままに使いこなし、そのものが持つ能力を十分に表す。】という意味になります。
「彼は長年の修行の末、中華の料理人として腕を振るっている」「上司が飲み屋で熱弁を振るっていたら家に帰るのが遅くなり、奥さんに怒られた」などというような形で使われます。
また「結局彼女は断ったのだが、その理由がふるっている」と言う場合の「ふるって」も「振るって」です。この場合は「とっぴな、奇抜な」という意味になります。
②「振るっている」という使い方
振るっているという使い方の場合、【奇抜である。意表をついている。】という意味を表します。
私は普段使ったことのない使い方ですが、このような使い方があるそうです。
使い方としては下記の様な文になります。
「彼のアイデアが認められた理由は、それが振るっているからだ。」
●震って
こちらは字のごとく、震動を表します。
下記のような使い方をします。
「怖じ気を震って、前に出ない」
これは【怖がって震えて、前に出ない】という意味になります。
3.まとめ
普段何気なく使っている言葉でも、意味の分かっていなものもあるのだな~と変に感心してしまいました。
また、「ふるって」の違いとして、「奮って」「振るって」「震って」の意味を考える問題とかがクイズ番組にも出てきそうだなとも思いました^^
個人的には日本人としてこれらの意味の違いを知っていると、カッコイイとも思います。
ちなみに、私の中で最近気になる日本語に『なるほどですね』があります。
なんか不思議な言葉ですよね。
こちらについても下記にまとめてみましたので、よろしければご覧ください。
「なるほどですね」はおかしい?敬語として正しいのか調べてみた