学生時代のいじめよりも質の悪い「大人のいじめ」。
特に職場では、パワハラ・モラハラ・セクハラなど、いじめの種類も豊富なようで、文字を見るだけでうんざりしてしまいます。
いじめは子どもだけの問題ではなく、人生のどのステージにも存在しています。
今回は、職場での嫌がらせへの対応について、具体的な対処法をご案内します。
目次
1.職場のいじめの具体例
職場ではどんないじめが起こるのでしょうか?具体的な例を3つご紹介します。
1-1.業務の独占
企業を存続させるには、若い世代を育てる必要があります。
そのため、人材育成の部署があったり、研修期間をしっかり設けていたりと、教育に力を入れている企業もたくさん存在します。
そんな企業の考えとは相反して、自分の担当業務を十分に引き継がない・教えない人が存在します。
そして、十分に教えてもいないにもも関わらず、「あの人は仕事ができない」とレッテルを貼るのです。
その行為の背景には、「自分の立ち位置を守りたい」「自分の有意性を保ちたい」などの魂胆が見え隠れします。
1-2.成長妨害
誰でも習得できる内容であっても、仕事を独占すれば「あの仕事は〇〇さんにしかできない」というオンリーワンな立ち位置を確保できます。
そうすれば、職場での価値も上がり、職務上優位な立場を守れる、という考え方です。
しかし、優秀な人材であれば、自発的に学んだり、作業を見て盗むこともできますので、ある程度の期間があれば簡単に追い越すことも可能です。
そうはいかないよう、必死で嫌がらせをして、成長を邪魔するのでしょう。
1-3.排除と嫉妬
仕事の覚えが悪い新人、優秀すぎる新人は、いじめの対象になりやすいようです。
職場での嫌がらせの動機は「排除したい」か「嫉妬心」がほとんどです。
業務遂行能力が低すぎてもイライラさせますし、反対に高すぎても鼻につきます。
いじめっ子は自分のテリトリーを守ることに必死ですので、邪魔な人間は排除し、自分よりも優位な人間の足は引っ張りたいのです。
2.いじめる人の特徴
そんな困ったいじめっ子ですが、いじめに至るにはどんな事情があるのでしょう?いじめっ子の特徴3つを紹介します。
2-1.自分のスキルを過信している
困ったことに、「自分は仕事ができる」と信じて疑いません。
人間関係が円滑にいっていない時点で、企業人としの土俵に立っていませんが、残念ながら本人は「自分は必要な人材である」と自負しています。
仕事への取り組み姿勢にズレがあるため、仲間のちょっとしたミスにフォローもせずに責め立てたり、「普段がこうだから…」など関係のない話を持ち出したりして不快感を掻き立てるのです。
2-2.プライベートが充実していない
恋人との関係や家庭環境が上手くいってなかったり、独り身でプライベートが充実していないなど、現状への不満や周囲への劣等感によるストレスを、嫌がらせ行為によって発散しようとする人がいます。
ワークライフバランスが限りなくワーク寄りとなるため、「仕事ができないのにプライベートが充実しているなんて生意気」という、無茶苦茶な思考回路に陥ってしまうようですね。
2-3.過去に自分もいじめられていた
自分も職場で嫌がらせを受けており、それが教育の一環だと勘違いしているパターンもあります。
美輪明宏さんの「お給料は我慢料」という名言がありますが、これは嫌がらせを受けるような環境を我慢しなさいという意味ではありません。
楽しさややりがいばかりを追求し、転職を繰り返す若者達に向けられたもので、与えられた仕事や環境の中に意味を見出し、人生の糧にしましょうね、という意味です。
仕事とは何か、教育とは何かをしっかり考えて業務を遂行してきた方は、同じ過ちが起きないよう改善に努めますが、残念ないじめっ子は気づくことができなかったんですね。
3.職場のいじめ対処法
それでは、実際に嫌がらせを受けた時、どのように対応すれば良いのでしょうか?
気にしない・受け流すという対応では、やがて限界を迎えます。
いつまでも受け身のままでは解決には至りませんので、限界に達する前に自ら行動を起こしましょう。
3-1.相談する
まずはいじめっ子の上司や、人事・労務に相談しましょう。
企業には、労働者が安全・快適に働くための環境を配慮する義務(職場環境配慮義務 労働契約法第3条・5条)があります。
真面目に取り合ってもらえるよう、以下のような証拠が必要です。
- 嫌がらせの内容を記録した日記やメモ
- 音声録音や動画などの物的証拠
今はスマホなどで音声録音や動画撮影が簡単にできる時代です。
簡単に物的証拠を残すことができます。主張内容の信憑性を高め、早めの対応をしてもらうためにも、嫌がらせを受けた日時・被害の度合いなどを明確に記録しておくことが大切です。
3-2.意思表示をする
はっきりと「不快である」「迷惑している」ことを主張しましょう。
本人に直接意思表示するのが難しければ、親しい同僚などでもかまいません。
とにかく、自分が被害を受けていて、困っている現状を誰かに知ってもらう必要があります。
いじり役・いじられ役がいじめに発展することもありますが、周りにとってはいつもと変わらない日常だったりします。
信頼できる仲間を味方につけ、いじめの存在を公に晒しましょう。
3-3.自分のスキルを高める
「仕事が遅い」「覚えが悪い」など、自分のスキルの未熟さゆえに嫌がらせを受けている場合であれば、できることを増やして、周囲に認めさせましょう。
周囲があなたを認めれば、いじめっ子も認めざるを得ません。いじめ甲斐がなくなって、次第に嫌がらせはなくなるでしょう。
4.それでも改善されない場合は転職を視野に
あらゆる手を打っても改善されないこともあります。
その場合は、「企業風土」と諦め、転職の道を考えた方が良いかもしれません。
その企業で「働くこと」に労力を割くより、気持ちよく働ける環境で「成果を出す」ことに力を尽くしたいですよね。
嫌がらせ行為によるストレスで体調を壊す前に、自分にとって最適な決断をしてください。
5.まとめ
職場には、役職や雇用形態、先輩後輩などのわかりやすい上下関係が存在しますので、誰が自分よりも弱い立場であるかは明確です。
そんな立場を利用した、幼稚な嫌がらせ行為を「仕事だから…」と我慢する必要は更々ありません。
まずは自分の想いを周りに主張し、それでもダメなら逃げてしまいましょう。
周りから「甘い」とか「負け」とか、好き勝手言われるかもしれませんが、あなたの辛い気持ちはあなたにしかわかりませんし、あなたの身体は一つしかありません。
今は多様な働き方が認められる時代です。
他人からの評価にとらわれず、自分に合った職場・働き方を見つけてほしいと願います。
【参考サイト】
厚生労働省 労働契約法のあらまし http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/keiyaku/kaisei/dl/leaf.pdf
一流のビジネスマンになれる方法【ビジネス知識・マナー・スキルアップ】 http://business.tribialife.com
Grapps 幸せの法則 http://w.grapps.me/heart/201503194