普段、何気なく使っていたり、聞いたりする日本語でも、ちょっと考えてみると「それってどういう意味?」と疑問に感じるものがあります。
以前にご紹介した「ふるって参加する」の「ふるって」などもその一つかと思います。
奮って(ふるって)ご参加下さいの奮っての意味とは!?そういえば知らない話
意外とこういった言葉があるのですが、最近耳にする「なるほどですね」という言葉は、敬語として正しいのか疑問に感じます。
周りの人に聞いてみても私と同じようにおかしいと感じる人は割といるようです。
そこで今回はこの「なるほどですね」が敬語としておかしいのか、それとも正しいのかについて調べてみました。
1.「なるほどですね」はいつから?
「なるほどですね」というのはいつ頃からあるのでしょうか?
ここ数年、耳にするようになったような気がします。
他の人にも聞いてみましたが、みんな同じような意見で、昔は聞いたことがないと言っていました。
いつ頃から使われるようになったのか調べてみましたが、明確な年代は不明でした。
ただ、NHK放送文化研究所の「最近気になる放送用語」というコーナーの2009.03.01付けの質問で「最近、『なるほどですね』という言葉が気になります」という内容のものがありました。
このことから2009年頃には使用する方が増えていたようです。
2011年には松田翔太さん主演の『ドン☆キホーテ』というドラマで、松田翔太さん演じる主人公城田の口癖が「なるほどですね」であり、そこから使う人がさらに増えたという意見があります。
ドラマの影響で、特に若い人に抵抗なく受け入れられたのであれば、それ以外の人には違和感が感じられるだろうと思います。
情報通信の発達で使う人が増えてきていた「なるほどですね」ですが、ドラマの影響で使用者数増加のスピードが若い人に対してさらに加速したとったところでしょうか。
2.敬語として正しい?
1.でも出てきましたNHK放送文化研究所によると「なるほど」は目上の方に使う言葉ではないと記載されている国語辞典もあるそうです。
その理由は目上の方の言葉に対し、評価を行うことが失礼にあたるという考えがあるからだそうです。
たしかに一般的にも年上の方に使う方は少ない様に思います。
こうなると、「なるほど」を丁寧にしただけの「なるほどですね」も目上の方に使うことはおかしいとなります。
丁寧語という点では敬語ですが、尊敬語や謙譲語としての機能はありません。
「なるほどですね」は九州・沖縄地方の方にはなじみがあるそうで、他の地域の方より違和感を感じる方が少ないそうです。
もともと方言として存在していた「なるほどですね」が他の地域に拡がっていったという説もあります。
関西の方では「アホ」という言葉を、親しみを込めて相手に言う地域もありますが、他の地域の方がそれを聞くとショックで驚く方も多いです。
「なるほどですね」という言葉もこの「アホ」と似たような理由から違和感を感じるのかなとも思います。
3.意外と使いやすい
おかしいと感じる人が多い「なるほどですね」ですが、自分で使うと、ついつい使ってしまう方も多いみたいです。
私の知り合いもおかしいと違和感を感じていましたが、使ってみるとなんか使ってしまうと言っていました。
そんなに親しくない方と敬語で話す際の会話に丁度良いみたいです。
聞くと違和感を感じるけど、自分で使うと馴染んでくるという不思議な魅力もあるみたいです。
使いやすいというのは、みんなに浸透していくのに大切な理由だと思います。
4.まとめ
言葉は時代とともに変化します。
下記では「ら抜き言葉」の浸透についてご紹介しまたが、「なるほどですね」も違和感を感じる人が少なくなり、みんなに受け入れられる日がくるのかもしれません。
今は受け入れられるまでの過渡期なのかもしれませんね。