原因不明の肌荒れや、治らない肩こり、腰痛、不眠は「冷え」が原因かもしれません。
「冷え」を放置しておくと免疫力低下やさまざまな病の原因にもなります。
女性の場合婦人病にもつながるので冷えの原因を理解して体を温めてあげましょう。
目次
1.冷え性と冷え症の違い
『冷え性』と『冷え症』では言葉が違い、それぞれの意味も異なります。
ここではそれらの違いについてご紹介いたします。
1-1.考え方の違い
西洋医学と東洋医学で「冷え」に関して見方が全く違い、西洋医学では低体温(35℃以下)として扱われ、ストレスや体質、生活習慣による一時的な『冷え性』とされます。
東洋医学において体の冷えは、病の起因となる危険信号となり『冷え症』とされ、病気と考えられてきました。
このことから、東洋医学の方が冷えに関して治療が得意とされています。
1-2.原因の違い
【冷え性】
気温変化や夏のクーラーにより手足が冷える、腰が痛い、肩がこるなど。
慢性的ではなく一時的な冷えに症状が現れる。
【冷え症】
体温に関係なく普通の人が寒くないと感じる温度でも手足または全身が冷えて辛い状態が慢性的に6か月以上続いている
冷え性が悪化すると冷え症となります。
2.なぜ女性の方が冷える?
冷えと言えば、女性の方から悩みとして聞くことが多いですよね。
なぜ女性の方が多いのかについてと、実は男性にも特有の冷えがあるのでそれらについてご紹介いたします。
2-1.筋肉量
厚生労働省の男女の冷え性実態調査結果を見ても女性の方が2倍近く冷え症とわかっています。
これは体の熱生産の8割が筋肉によりまかなわれていることから、筋肉量の差が多きな原因といえます。
男性の標準筋肉量は22~24㎏女性は14~17㎏と大体6~8㎏の筋肉量の差があります。
(参照:筋肉量と筋肉率計算-WAKWAK※一部変更・修正)
それに加えて人間の骨格筋はエネルギー効率が低めなので、体温を上げようと震えたところでなかなか上昇しません。
2-2.女性特有の冷え
女性には子宮や卵巣などの臓器や器官があるので腹部の血流が悪くなりやすく温められた血液が手足などの末端まで循環しにくくなっています。
更に月に一度の生理により血液が一時的に減少し、女性ホルモンのバランスも大きく崩れます。
女性ホルモンのバランスが崩れると自律神経の乱れ=血行不良となり体の冷えに繋がります。
筋肉量の少なさと女性特有の体の構造から非常に血行が悪くなりやすく、熱生産も少ないことから女性は特に手足が冷えやすくなっています。
2-3.実は男性にも特有の冷えがある
熱生産が女性よりも多く体の構造も血行不良になりにくいですが、年をとるにつれて筋肉量が減ると冷えを自覚するようになります。
近年では男性であっても運動不足による筋力低下・ストレスや自律神経の乱れ・不眠により、体全体が低体温となり内臓が冷えて全身の機能が衰えている人が増えています。
ただ、自覚していないケースの冷え性が多く、「肌荒れ」「下痢」「風邪」などの症状が多く見られ女性とは冷え方が違います。
3.冷えの原因
そもそも「冷え」を感じるのは温められた血液が全身に循環出来ていない血行不良、血管収縮が原因です。
筋肉量や体の構造以外で血行不良、血管収縮を引き起こす原因は以下になります。
3-1.冷たい飲み物・食べ物・甘い物
食べ物を消化する時には胃腸に入った食べものを一度温める過程があり、その際に体内の熱が消費されます。
冷たいものを温めるのに多くの熱が使われ体全体に熱がいきわたらなくなります。甘いものは交感神経を刺激し血管を収縮させます。
3-2.無理なダイエット
人間の三大栄養素である炭水化物・たんぱく質・脂質は体の組織はもちろん体温維持にも使われています。
これらのバランスが悪いと体温を維持する為のエネルギー源不足により体が冷えます。
3-3.気温が一定の場所への慣れ
人の体温は常に変動していて、睡眠時に低く日中は高いというリズムを毎日繰り返します。
日中に体温が上がらないとリズムが崩れて体温調節機能が鈍くなり、慢性的に低体温→冷え性へと繋がります。
他にも・喫煙・運動不足・ストレスなど。生活習慣が原因で冷え症になることも多いです。
4.冷えの治し方
上記で挙げたことから冷え症を治すにはまず血行をよくする(体温を上げる)ことが一番大事です。
女性は自律神経を整えることも重要です。
ここでは東洋医学を参考にした治し方をご紹介します。
まずは以下の簡単な方法から取り組んでみてはいかがでしょうか。
4-1.食べ物
生姜-生姜に含まれるジンゲロール、ショウガオール、ジンゲロンが体を温め血流を良くします。
東洋医学では万能薬と言われ冷えの治療以外でもよく使われています。
生の生姜は体の表面を温める効果があり、乾燥生姜は体の中を温めるそうです。
冷え性改善には乾燥生姜か加熱した生姜で体の内側から温めた方が良いですね。
他にも人参、にんにく、たまねぎ、やまいも、とうがらし、ごぼう、なども体を温める効果があります。
4-2.睡眠
自立神経を整えるには規則正しい生活を送るのが肝心。
なるべく同じ時間に起床すると自律神経が正常に機能し冷えの改善につながります。
4-3.運動・マッサージ
【足踏み】
歩かずともその場で出来る足踏みはどこでも出来る血行促進運動です。
下半身には体全体の筋肉の3分の2の筋肉があり、筋肉が少ない人でも効率が良い運動になります。
膝をお腹くらいまで上下させ、右足左足交互に複数回行います。
血液が下から上へと押し上げられ血行がよくなり冷えを感じにくくなってきます。
【ふくらはぎマッサージ】
ふくらはぎは第二の心臓といわれるほど血流に大きく関係しています。
心臓は新しい酸素を全身に届ける役割ですが、ふくらはぎは二酸化炭素を含んだ古い血液を心臓に戻す役割をしています。
なのでふくらはぎを刺激すると血液の循環が改善され血行がよくなります。
やり方はアキレス腱から膝に向かってふくらはぎ全体を指で押しつつ、さすってマッサージするだけです。
お風呂上りに行うと効果的です。
5.まとめ
女性に冷え症が多いのは体の構造とホルモンバランスの乱れ、筋肉量の少なさが原因でした。
冷え性はすぐに改善するものではないので、まずは簡単にできる治し方から実戦して体を温める生活にしていきましょう。