最近は若い人が本を読まなくなったそうで、出版不況も長らく続いています。
しかし、ミステリーなら面白いものがたくさんあります。
思わず徹夜してしまうほど面白いミステリーを紹介しましょう。
1.『十角館の殺人』
この作品は日本のミステリー界に「新本格派」という一大ムーブメントを引き起こし、後続の作品群に多大な影響を残した名作です。
孤島を訪れた大学のミステリ研が、アガサ・クリスティの『そして誰もいなくなった』のように一人ずつ殺されていきます。
この本のある一文が生み出す衝撃はいまだに忘れられません。
あの感覚をぜひ皆さんにも味わってもらいたいものです。
2.『魍魎の匣』
京極夏彦の百鬼夜行シリーズ第二巻です。
第一巻の『姑獲鳥の夏』を読んでからの方が良いのですが、作品の素晴らしさでこちらにしました。
この本は、長さだけでも手に取った人は驚くと思うのですが、いざ読み始めてみると本の長さはほとんど気になりません。
それほど中身が詰まった傑作です。
様々に張り巡らされた糸が最後に一点に集中する、その達人技を楽しんでください。
3.『首無の如き祟るもの』
三津田信三の『刀城言耶シリーズ』の中の一冊。
ミステリーとホラーの融合を目指した作品ですが、この本の凄みは、いくつもの推理を立てておいて、それらをただ一つの事実で薙ぎ倒してしまうところです。
読み始めの頃は、特殊な設定やシチュエーションに馴染むのに時間がかかるかも知れませんが、中盤以降は一気読みの面白さです。
4.『空飛ぶ馬』
こちらは北村薫のデビュー作で『円紫師匠シリーズ』第一巻。
作中ではまだ主人公は女子大生で、日常に起こる不可思議な謎を、落語の師匠円紫さんと共に解いていきます。
この本は東大生のためになった本にも選ばれています。
作家の北村薫はこの作品が出た頃性別不詳で、まだ顔も出しておらず、女性ではないかと噂が出るほど綺麗な文体をしています。
この作品では殺人などは出てこないのですが、ちょっとした謎が意外な解き方をされるのを楽しむことが出来ます。
5.『クドリャフカの順番』
米澤穂信の古典部シリーズ第三作目です。
文化祭を迎えた学校の様子と、刷りすぎた文集「氷菓」、さらに奇妙な「十文字」事件と、様々な出来事が同時並行で進行していきます。
高校生の皆さんなら感じたことがあるような、独特な文化祭の盛り上がりが良く描けています。
6.『屍人荘の殺人』
この本は2017年出版なので、今回紹介した本の中では唯一ハードカバーの単行本です。
ミステリー界では、新人のデビュー作がかなり変わっていて面白いと随分評判になりました。
何がどう評判だったのかについては、ここでは語れませんが、読んでいくうちに「ああ、そういうことか!」となるのは間違いありません。
話題になった部分を外して考えても良くできたミステリーになっています。
7.まとめ
日本のミステリーには、世界でも独自の変化を遂げた名作・傑作が数多くあります。
ミステリーを読んだことがある人も、これまで興味がなかった人も、ミステリーは徹夜本の宝庫です。
今回紹介した本も、ぜひ読んでみてくださいね。