バンドの中でのベースの役割とは

ベース

ベーシストは変わり者が多い、彼氏にしてはいけないなど、何かとイジられる事の多いパートであるベースですが、ベースには重要な役割があります。

今回はそのベースについて詳しくまとめてみました。

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1.エレキベースの誕生

元々ベースと位置付けされる楽器は古くから存在していました。

コントラバス、ウッドベースと呼ばれる物がそうです。

オーケストラの中でも決して目立つことはありませんが、楽曲の底を支えるのがベースの役割だという点は現代も共通しています。

アメリカでポップスが盛んに聴かれるようになった1950年代、仕事が減ったギタリストがある青年に「俺にでも弾けるベースが欲しい」と依頼を持ちかました。

それまでのコントラバスやウッドベースは大きくて楽器を立てて演奏する、フレットが無いので音程が取り辛いなど、誰でも簡単に演奏出来る楽器ではなかったからです。

その青年が作ったベースは、「プレシジョンベース」と名付けられました。

エレキギターよりはやや大きいものの、エレキギターと同じように肩から掛けて演奏できる、フレットがあるので正確な音程が取れる、アンプに繋いで大きな音量が出せるなど、画期的な発明となってすぐに人気になりました。

このプレシジョンベースと専用のベースアンプを開発した人物が「レオ・フェンダー」で、後にフェンダー社を立ち上げる人物となります。

その見た目と簡単に音量を稼げることから、特にバンド形態のグループにエレキベースは好まれました。

歴史的なロックバンドの「ザ・ビートルズ」が登場するとベースの役割はただ低音を支えるだけでなく、時にメロディーを奏でたり自由度が増しました。

ビートルズでポールマッカートニーがベースを弾く姿を世界中のファンが見ていたこともあり、ビートルズの登場以降は一般的にベース=エレキベースという認識に変わってきました。

バンドが広く世界中で認知され、各国で様々なバンドが登場するとベースの役割も多種多様になってきました。

現代ではベースのみで演奏される楽曲の登場やベースがソロパートを担当するなど、ベースの役割は低音を支えるだけでなく何でも出来る楽器であると呼べるようになりました。

2.歴史的なバンドとベースの関係

歴史的なバンドと言えば、先ほども述べた「ザ・ビートルズ」が最初に出てきます。

ポールマッカートニーの演奏と言えば、シンプルではあるものの絶妙にベースラインを動かして楽曲に躍動感を与えるセンスが当時ズバ抜けていました。

従来のベースの役割を果たしながらも、効果的に動かすフレーズは後世に大きな影響を与えることになったのです。

へヴィメタルの元祖と呼ばれる「ブラックサバス」の登場も後世に多大な影響を与えました。

ジャズやブルースをルーツとしながらも人々を怖がらせることをコンセプトに楽曲を制作していき、13日の金曜日にリリースを合わせるなど悪魔や黒魔術との関係もちらつかせたことも後のメタルと呼ばれるバンド達に大きな影響を与えています。

ギーザー・バトラーの演奏の特徴は歪んだギターのリフと同じフレーズを弾くユニゾンプレイです。

現代では当たり前になっていますが、これによって楽曲に厚みと勢いを付加することが出来ます。

ギーザー・バトラーはベースの音量を少し大きくして激しいギターの音の中でも埋もれないようにベースの役割を果たしていました。

1970年代、ハードロック全盛期にそのハードロックに反発して生まれたジャンルがパンクでした。

シンプルなコード展開、無駄のない演奏、そして圧倒的なスピード感がパンクの特徴でした。

代表的なバンド「ラモーンズ」「セックスピストルズ」らの活躍もあって、一過性にならず現代でもその音楽性は色濃く残されています。

ベースの役割も原点に戻ってひたすら低音を刻むのが特徴となっています。

1980年代に入ってデビューしたのが「レッド・ホット・チリ・ペッパーズ」です。

彼等はミクスチャーと呼ばれ、ラップも入れるボーカル、ブルージーなギターが印象的で瞬く間に人気ロックバンドの仲間入りを果たします。

ベーシストのフリーはファンクを土台にしたファンキーなベースプレイを得意として、チョッパー(現代ではスラップ)と呼ばれる特殊な奏法をロックに取り入れました。

また、ベースの役割で大事なリズムですが、フリーは独特なノリのリズムを刻むのでよりバンドの楽曲にファンク要素が感じられます。

3.日本でのベースの役割

日本のバンドでは1960年代の「ザ・スパイダーズ」の活動がかなり初期になります。

名前からも分かる通りザ・スパイダーズはザ・ビートルズの影響を強く受けていましたが、ベーシストの加藤充はよりベースの役割の低音を刻むことに徹していました。

1970年代になると「四人囃子」がデビューしました。四人囃子はプログレと呼ばれる実験的なサウンドが特徴のバンドでした。

ベーシストの佐久間正英は様々なジャンルのリズムやフレーズを取り入れ、日本でのベースの役割を大きく変えた立役者の一人です。

佐久間正英はプレイヤーとしての活躍だけに留まらず、後にプロデューサーとしてGLAY、JUDY AND MARYなどいくつもの人気バンドを手がけました。

その後もジャンルとベーシストの多様化が進み、「BOOWY」はピックで力強くルートになる音をダウンピッキングをするのが特徴、「X JAPAN」ではギターを奏でるかのようなテクニカルなフレーズを奏で、時にベースソロまでこなしてしまうなど次々と新しいスタイルが登場してきました。

2010年代の今では、ベースの役割は低音を支える事という認識は薄れ、なんでもこなせる楽器という認識が高まってきています。

バンド

4.まとめ

エレキベースが誕生して60年余りになりますが、様々な音楽ジャンルの誕生と共に様々な奏法やフレーズが誕生しました。

現代では通常の4弦ベースではなく5弦ベースや6弦ベースを使用するベーシストもかなり増えたこともあり、更にベースという楽器は奥深いものになりました。

まだこれから想像もしない奏法や楽曲が誕生する可能性があると思うと楽しみが尽きません。

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